水素分子 $H_2$ について、以下の3つの量を求めます。 (i) $20^\circ C$ に保たれている状態の水素分子の平均速度 (ii) 定積比熱 $c_v$ (iii) 定圧比熱 $c_p$ ただし、水素原子の原子量は 1.0、一般気体定数 $R_0 = 8.314 \ [J/mol \cdot K]$、アボガドロ数 $N_A = 6.022 \times 10^{23}$、絶対零度は摂氏 $-273^\circ C$とします。

応用数学物理化学分子運動論気体分子運動論熱力学平均速度定積比熱定圧比熱
2025/5/27

1. 問題の内容

水素分子 H2H_2 について、以下の3つの量を求めます。
(i) 20C20^\circ C に保たれている状態の水素分子の平均速度
(ii) 定積比熱 cvc_v
(iii) 定圧比熱 cpc_p
ただし、水素原子の原子量は 1.0、一般気体定数 R0=8.314 [J/molK]R_0 = 8.314 \ [J/mol \cdot K]、アボガドロ数 NA=6.022×1023N_A = 6.022 \times 10^{23}、絶対零度は摂氏 273C-273^\circ Cとします。

2. 解き方の手順

(i) 平均速度の計算
水素分子のモル質量 MM は、水素原子の原子量が 1.0 であるから、 M=2.0×103 [kg/mol]M = 2.0 \times 10^{-3} \ [kg/mol] です。
温度 TT を絶対温度で表すと、 T=20+273=293 [K]T = 20 + 273 = 293 \ [K] となります。
分子の平均速度 vv は、次の式で与えられます。
v=3R0TMv = \sqrt{\frac{3 R_0 T}{M}}
ここに、
R0=8.314 [J/molK]R_0 = 8.314 \ [J/mol \cdot K]
T=293 [K]T = 293 \ [K]
M=2.0×103 [kg/mol]M = 2.0 \times 10^{-3} \ [kg/mol]
を代入すると、
v=3×8.314×2932.0×103=3654531=1911.68 [m/s]v = \sqrt{\frac{3 \times 8.314 \times 293}{2.0 \times 10^{-3}}} = \sqrt{3654531} = 1911.68 \ [m/s]
(ii) 定積比熱の計算
水素分子は二原子分子なので、自由度は5です。
定積比熱 cvc_v は、次の式で与えられます。
cv=f2R0c_v = \frac{f}{2} R_0
ここで、ff は自由度を表します。水素分子の場合、f=5f=5 なので、
cv=52R0=52×8.314=20.785 [J/molK]c_v = \frac{5}{2} R_0 = \frac{5}{2} \times 8.314 = 20.785 \ [J/mol \cdot K]
(iii) 定圧比熱の計算
定圧比熱 cpc_p は、次の式で与えられます。
cp=cv+R0c_p = c_v + R_0
cv=20.785 [J/molK]c_v = 20.785 \ [J/mol \cdot K]R0=8.314 [J/molK]R_0 = 8.314 \ [J/mol \cdot K] を代入すると、
cp=20.785+8.314=29.099 [J/molK]c_p = 20.785 + 8.314 = 29.099 \ [J/mol \cdot K]

3. 最終的な答え

(i) 平均速度: 1911.68 m/s
(ii) 定積比熱: 20.785 J/mol・K
(iii) 定圧比熱: 29.099 J/mol・K

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