一辺が2cmの正三角形ABCを底面とし、$OA = OB = OC = 4$cmである正三角錐OABCがある。辺OB上に点Pをとる。 (1) $AP + PC$の長さが最短になるように結ぶとき、$AP + PC$の長さを求めよ。 (2) (1)のとき、三角錐PABCの体積を求めよ。

幾何学正三角錐体積展開図余弦定理最短距離
2025/5/27

1. 問題の内容

一辺が2cmの正三角形ABCを底面とし、OA=OB=OC=4OA = OB = OC = 4cmである正三角錐OABCがある。辺OB上に点Pをとる。
(1) AP+PCAP + PCの長さが最短になるように結ぶとき、AP+PCAP + PCの長さを求めよ。
(2) (1)のとき、三角錐PABCの体積を求めよ。

2. 解き方の手順

(1) AP+PCAP + PCの長さを最小にするには、展開図を考える。正三角錐OABCの展開図において、点Aと点Cを結ぶ線分が最短となる。
展開図において、OA=OB=OC=4OA = OB = OC = 4cmであるから、OAB\triangle OABOBC\triangle OBCは合同な二等辺三角形である。
AOB=BOC=θ\angle AOB = \angle BOC = \thetaとおくと、AOC=2θ\angle AOC = 2\thetaとなる。
余弦定理より、AC2=OA2+OC22×OA×OC×cos(2θ)AC^2 = OA^2 + OC^2 - 2 \times OA \times OC \times \cos(2\theta)
底面ABCは正三角形なので、AC=2AC = 2cm。よって、
22=42+422×4×4×cos(2θ)2^2 = 4^2 + 4^2 - 2 \times 4 \times 4 \times \cos(2\theta)
4=16+1632cos(2θ)4 = 16 + 16 - 32 \cos(2\theta)
32cos(2θ)=2832 \cos(2\theta) = 28
cos(2θ)=2832=78\cos(2\theta) = \frac{28}{32} = \frac{7}{8}
cos(2θ)=2cos2(θ)1\cos(2\theta) = 2\cos^2(\theta) - 1より、
2cos2(θ)1=782\cos^2(\theta) - 1 = \frac{7}{8}
2cos2(θ)=1582\cos^2(\theta) = \frac{15}{8}
cos2(θ)=1516\cos^2(\theta) = \frac{15}{16}
cos(θ)=154\cos(\theta) = \frac{\sqrt{15}}{4}
OAB\triangle OABにおいて、AB=OA2+OB22OA×OBcosθ=16+1632154=32815=2AB = \sqrt{OA^2 + OB^2 - 2OA \times OB \cos\theta} = \sqrt{16 + 16 - 32 \frac{\sqrt{15}}{4}} = \sqrt{32 - 8\sqrt{15}} = 2
OA=OB=4OA = OB = 4より、AB=2AB = 2なので、OAB\triangle OABは二等辺三角形。
AP+PCAP + PCの長さを最短にするには、展開図上でAとCを結んだ線分が最短となる。
AP+PCAP + PCが最短になるのは、Oから見たときにA, P, Cが一直線上に並ぶときである。
OAC\triangle OACにおいて、余弦定理より、AC2=OA2+OC22OAOCcosAOCAC^2 = OA^2 + OC^2 - 2OA \cdot OC \cdot \cos \angle AOC
22=42+42244cosAOC2^2 = 4^2 + 4^2 - 2 \cdot 4 \cdot 4 \cos \angle AOC
4=3232cosAOC4 = 32 - 32 \cos \angle AOC
cosAOC=2832=78\cos \angle AOC = \frac{28}{32} = \frac{7}{8}
AP+PC=AC=OA2+OC22OAOCcosAOC=16+163278=3228=4=2AP + PC = AC = \sqrt{OA^2 + OC^2 - 2 \cdot OA \cdot OC \cdot \cos \angle AOC} = \sqrt{16+16-32\frac{7}{8}} = \sqrt{32 - 28} = \sqrt{4} = 2
展開図上でA, P, Cが一直線上に並ぶとき、AP+PCAP+PCは最短となるので、AP+PC=ACAP+PC = ACである。OAB\triangle OABを展開図で考えると、AOB=θ\angle AOB = \thetaOA=OB=4OA = OB = 4であり、AB=2AB = 2である。この時、PはOB上にあるので、OP/OB=OAOA+OC=44+4=12OP/OB = \frac{OA}{OA+OC} = \frac{4}{4+4} = \frac{1}{2}。よって、OP=12OB=2OP = \frac{1}{2}OB = 2
AP+PCAP+PCの長さは、AACCを結んだ線分の長さに等しく、AP+PC=ACAP+PC=AC
(2) 三角錐PABCの体積を求める。
正三角錐OABCの体積は、VOABC=13×SABC×hV_{OABC} = \frac{1}{3} \times S_{\triangle ABC} \times h。ここで、SABCS_{\triangle ABC}ABC\triangle ABCの面積、hhはOから底面ABCへの高さである。
SABC=34×22=3S_{\triangle ABC} = \frac{\sqrt{3}}{4} \times 2^2 = \sqrt{3}
h=OA2R2h = \sqrt{OA^2 - R^2}。ここで、RRABC\triangle ABCの外接円の半径であり、R=23R = \frac{2}{\sqrt{3}}
h=42(23)2=1643=443=2113h = \sqrt{4^2 - (\frac{2}{\sqrt{3}})^2} = \sqrt{16 - \frac{4}{3}} = \sqrt{\frac{44}{3}} = 2\sqrt{\frac{11}{3}}
VOABC=13×3×2113=2113V_{OABC} = \frac{1}{3} \times \sqrt{3} \times 2\sqrt{\frac{11}{3}} = \frac{2\sqrt{11}}{3}
OP:PB=1:1OP:PB = 1:1なので、PB=2PB = 2
三角錐PABCの体積は、三角錐OABCの体積の1/2となる。
VPABC=12VOABC=122113=113V_{PABC} = \frac{1}{2} V_{OABC} = \frac{1}{2} \cdot \frac{2\sqrt{11}}{3} = \frac{\sqrt{11}}{3}

3. 最終的な答え

(1) AP+PC=434=12AP+PC = 4\sqrt{\frac{3}{4}} = \sqrt{12} cm
(2) 113\frac{\sqrt{11}}{3} 立方センチメートル

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