複素数 $z$ が $z^6 + i = 0$ を満たすとき、以下の問いに答えます。 (1) $z^6 = -i$ であり、$|-i|=1$ です。$\arg(-i)$ を整数 $n$ を用いて表し、選択肢から選びます。 (2) $z$ の中で、実部と虚部がともに正であるものを求めます。

代数学複素数複素数平面偏角ド・モアブルの定理極形式
2025/5/28

1. 問題の内容

複素数 zzz6+i=0z^6 + i = 0 を満たすとき、以下の問いに答えます。
(1) z6=iz^6 = -i であり、i=1|-i|=1 です。arg(i)\arg(-i) を整数 nn を用いて表し、選択肢から選びます。
(2) zz の中で、実部と虚部がともに正であるものを求めます。

2. 解き方の手順

(1)
まず、z6=iz^6 = -i であることから、i-i の偏角 arg(i)\arg(-i) を求めます。
i-i は複素数平面上で yy 軸負の方向を向いており、その偏角は π2-\frac{\pi}{2} です。一般角で表すと、
arg(i)=π2+2nπ=(2n12)π=(2n+32)π2π=(2n+32)π\arg(-i) = -\frac{\pi}{2} + 2n\pi = (2n - \frac{1}{2})\pi = (2n + \frac{3}{2})\pi - 2\pi = (2n + \frac{3}{2})\pi
となります。
よって、選択肢④が当てはまります。
(2)
z6=iz^6 = -i より、z=i6z = \sqrt[6]{-i} です。
i-i を極形式で表すと、 i=cos(3π2+2nπ)+isin(3π2+2nπ)-i = \cos(\frac{3\pi}{2} + 2n\pi) + i\sin(\frac{3\pi}{2} + 2n\pi) です。
したがって、
z=cos(3π2+2nπ6)+isin(3π2+2nπ6)=cos(3π+4nπ12)+isin(3π+4nπ12)z = \cos(\frac{\frac{3\pi}{2} + 2n\pi}{6}) + i\sin(\frac{\frac{3\pi}{2} + 2n\pi}{6}) = \cos(\frac{3\pi + 4n\pi}{12}) + i\sin(\frac{3\pi + 4n\pi}{12})
となります。ここで、n=0,1,2,3,4,5n=0,1,2,3,4,5 です。
実部と虚部がともに正であるためには、
0<3π+4nπ12<π20 < \frac{3\pi + 4n\pi}{12} < \frac{\pi}{2}
0<3π+4nπ<6π0 < 3\pi + 4n\pi < 6\pi
3π<4nπ<3π-3\pi < 4n\pi < 3\pi
34<n<34-\frac{3}{4} < n < \frac{3}{4}
を満たす必要があります。
nn は整数なので、n=0n=0 となります。
このとき、
z=cos(3π12)+isin(3π12)=cos(π4)+isin(π4)=22+i22z = \cos(\frac{3\pi}{12}) + i\sin(\frac{3\pi}{12}) = \cos(\frac{\pi}{4}) + i\sin(\frac{\pi}{4}) = \frac{\sqrt{2}}{2} + i\frac{\sqrt{2}}{2}
となります。
問題文には、zz の中で実部、虚部ともに正であるものは、34+i56\frac{\sqrt{3}}{4} + i \frac{\sqrt{5}}{6} であると書かれていますが、z6=iz^6 = -i の解とは一致しません。問題文に誤りがあると思われます。
上記より、n=0n=0 のときの zz の値を求めると、22+i22\frac{\sqrt{2}}{2} + i\frac{\sqrt{2}}{2} となります。

3. 最終的な答え

(1) ④
(2) 22+i22\frac{\sqrt{2}}{2} + i\frac{\sqrt{2}}{2}
問題文に与えられた 34+i56\frac{\sqrt{3}}{4} + i\frac{\sqrt{5}}{6} は誤りであると思われます。

「代数学」の関連問題

与えられた4つのベクトルが一次独立かどうかを調べる問題です。ベクトルは以下の通りです。 $v_1 = \begin{pmatrix} 1 \\ 2 \\ 1 \\ 2 \end{pmatrix}, v...

線形代数一次独立ベクトル行列階数
2025/5/29

与えられた2次方程式 $x^2 - 5 = 0$ を解く問題です。

二次方程式平方根方程式の解法
2025/5/29

与えられた一次方程式 $8x - 3 = 7x$ を解いて、$x$ の値を求める問題です。

一次方程式方程式解の公式
2025/5/29

与えられた3つの対数の式をそれぞれ計算します。 (1) $\log_3 \frac{27}{35} + \log_3 105$ (2) $\log_5 \sqrt{2} + \frac{1}{2}\l...

対数対数の性質計算
2025/5/29

与えられた方程式 $x - 4 = 3x$ を解いて、$x$ の値を求める問題です。

一次方程式方程式の解法代数
2025/5/29

一次方程式 $x - 4 = 3x$ を解く問題です。

一次方程式方程式解の公式
2025/5/29

一次方程式 $x + 2 = 6$ を解き、$x$ の値を求めます。

一次方程式方程式
2025/5/29

問題は次の2つの和を求めることです。 (1) $\sum_{k=1}^{n} 5^{k-1}$ (2) $\sum_{k=1}^{n-1} 3^{k}$

数列等比数列シグマ和の公式
2025/5/29

ベクトル $\mathbf{y} = \begin{pmatrix} 4 \\ 5 \\ -1 \\ 4 \end{pmatrix}$ を、ベクトル $\mathbf{x}_1 = \begin{pm...

線形代数ベクトル線形結合基底連立一次方程式ガウスの消去法成分表示
2025/5/29

与えられた数式を計算し、答えを求めます。数式は次の通りです。 $\sqrt[3]{\sqrt{32}} \times \sqrt{8} \div \sqrt[3]{-16}$

指数根号計算
2025/5/29