1から8までの数字が書かれた8枚のカードから1枚を引き、元に戻すという試行を $n$ 回行う。このとき、数字の8のカードが取り出される回数が奇数回である確率 $p_n$ を $n$ の式で表せ。

確率論・統計学確率確率変数漸化式等比数列
2025/3/26

1. 問題の内容

1から8までの数字が書かれた8枚のカードから1枚を引き、元に戻すという試行を nn 回行う。このとき、数字の8のカードが取り出される回数が奇数回である確率 pnp_nnn の式で表せ。

2. 解き方の手順

まず、nn 回の試行で8のカードが取り出される確率を考えます。8枚のカードから1枚取り出すので、8のカードが取り出される確率は 18\frac{1}{8}、8以外のカードが取り出される確率は 78\frac{7}{8} です。
pnp_nnn 回の試行で8のカードが奇数回取り出される確率とします。n+1n+1 回の試行で8のカードが奇数回取り出される確率 pn+1p_{n+1} は、次の2つの場合に分けられます。
(1) nn 回の試行で8のカードが偶数回取り出され、(n+1)(n+1)回目に8のカードが取り出される場合。
(2) nn 回の試行で8のカードが奇数回取り出され、(n+1)(n+1)回目に8のカードが取り出されない場合。
nn回の試行で8のカードが偶数回取り出される確率は 1pn1 - p_n であるから、pn+1p_{n+1}は次のように表されます。
pn+1=(1pn)18+pn78p_{n+1} = (1 - p_n) \cdot \frac{1}{8} + p_n \cdot \frac{7}{8}
pn+1=1818pn+78pn=18+68pn=18+34pnp_{n+1} = \frac{1}{8} - \frac{1}{8} p_n + \frac{7}{8} p_n = \frac{1}{8} + \frac{6}{8} p_n = \frac{1}{8} + \frac{3}{4} p_n
次に、pn+1α=34(pnα)p_{n+1} - \alpha = \frac{3}{4}(p_n - \alpha) の形に変形します。
pn+1=34pn+18p_{n+1} = \frac{3}{4} p_n + \frac{1}{8}より、α=34α+18\alpha = \frac{3}{4}\alpha + \frac{1}{8} を解くと、14α=18\frac{1}{4}\alpha = \frac{1}{8} より α=12\alpha = \frac{1}{2}
よって、pn+112=34(pn12)p_{n+1} - \frac{1}{2} = \frac{3}{4} (p_n - \frac{1}{2})
数列 {pn12}\{p_n - \frac{1}{2}\} は、初項 p112p_1 - \frac{1}{2}、公比 34\frac{3}{4} の等比数列です。
p1p_1 は1回の試行で8のカードが取り出される確率なので、p1=18p_1 = \frac{1}{8}
したがって、p112=1812=38p_1 - \frac{1}{2} = \frac{1}{8} - \frac{1}{2} = -\frac{3}{8}
pn12=(38)(34)n1p_n - \frac{1}{2} = \left(-\frac{3}{8}\right) \left(\frac{3}{4}\right)^{n-1}
pn=1238(34)n1p_n = \frac{1}{2} - \frac{3}{8} \left(\frac{3}{4}\right)^{n-1}
pn=1212(34)n=12(1(34)n)p_n = \frac{1}{2} - \frac{1}{2} \left(\frac{3}{4}\right)^n = \frac{1}{2}\left(1 - \left(\frac{3}{4}\right)^n\right)

3. 最終的な答え

pn=12(1(34)n)p_n = \frac{1}{2}\left(1 - \left(\frac{3}{4}\right)^n\right)

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