問1:標準正規分布に従う確率変数$Z$について、以下の確率を満たす$a$と$b$の値を求めます。 (1) $P(Z \geq a) = 0.05$ (2) $P(Z \geq b) = 0.01$ 問2:正規母集団$N(\mu, 2^2)$から大きさ$n=25$の標本を取り、帰無仮説$H_0: \mu = 5$、対立仮説$H_1: \mu = 6$を検定します。標本平均$\bar{X}$の分布の右裾を棄却域として使用します。 (1) $H_0$が真であるときの$\bar{X}$の分布を求めます。 (2) $H_1$が真であるときの$\bar{X}$の分布を求めます。 (3) $H_0$が真であるときの$\bar{X}$の分布において、$P(\bar{X} \geq x) = 0.05$ (第1種の誤りの確率) を満たす$x$の値を求めます。そして、$H_1$が真であるときの$\bar{X}$の分布において、第2種の誤りの確率 $P(\bar{X} \leq x)$ を求めます。

確率論・統計学標準正規分布仮説検定標本平均第1種の誤り第2種の誤り
2025/6/3

1. 問題の内容

問1:標準正規分布に従う確率変数ZZについて、以下の確率を満たすaabbの値を求めます。
(1) P(Za)=0.05P(Z \geq a) = 0.05
(2) P(Zb)=0.01P(Z \geq b) = 0.01
問2:正規母集団N(μ,22)N(\mu, 2^2)から大きさn=25n=25の標本を取り、帰無仮説H0:μ=5H_0: \mu = 5、対立仮説H1:μ=6H_1: \mu = 6を検定します。標本平均Xˉ\bar{X}の分布の右裾を棄却域として使用します。
(1) H0H_0が真であるときのXˉ\bar{X}の分布を求めます。
(2) H1H_1が真であるときのXˉ\bar{X}の分布を求めます。
(3) H0H_0が真であるときのXˉ\bar{X}の分布において、P(Xˉx)=0.05P(\bar{X} \geq x) = 0.05 (第1種の誤りの確率) を満たすxxの値を求めます。そして、H1H_1が真であるときのXˉ\bar{X}の分布において、第2種の誤りの確率 P(Xˉx)P(\bar{X} \leq x) を求めます。

2. 解き方の手順

問1:
(1) P(Za)=0.05P(Z \geq a) = 0.05を満たすaaの値は、標準正規分布表から求めます。 P(Za)=10.05=0.95P(Z \leq a) = 1 - 0.05 = 0.95 となるaaの値を探すと、約1.645となります。
(2) P(Zb)=0.01P(Z \geq b) = 0.01を満たすbbの値も同様に、標準正規分布表から求めます。P(Zb)=10.01=0.99P(Z \leq b) = 1 - 0.01 = 0.99 となるbbの値を探すと、約2.33となります。
問2:
(1) H0H_0が真であるとき、μ=5\mu = 5です。母集団分布はN(5,22)N(5, 2^2)であり、標本サイズはn=25n=25なので、標本平均Xˉ\bar{X}の分布は以下のようになります。
XˉN(5,2225)=N(5,425)=N(5,0.16)\bar{X} \sim N(5, \frac{2^2}{25}) = N(5, \frac{4}{25}) = N(5, 0.16)
(2) H1H_1が真であるとき、μ=6\mu = 6です。母集団分布はN(6,22)N(6, 2^2)であり、標本サイズはn=25n=25なので、標本平均Xˉ\bar{X}の分布は以下のようになります。
XˉN(6,2225)=N(6,425)=N(6,0.16)\bar{X} \sim N(6, \frac{2^2}{25}) = N(6, \frac{4}{25}) = N(6, 0.16)
(3) H0H_0が真であるときのXˉ\bar{X}の分布はN(5,0.16)N(5, 0.16)です。P(Xˉx)=0.05P(\bar{X} \geq x) = 0.05を満たすxxを求めます。 標準化すると、Z=Xˉ50.16=Xˉ50.4Z = \frac{\bar{X} - 5}{\sqrt{0.16}} = \frac{\bar{X} - 5}{0.4}となります。
P(Xˉx)=P(Zx50.4)=0.05P(\bar{X} \geq x) = P(Z \geq \frac{x - 5}{0.4}) = 0.05
標準正規分布表から、P(Z1.645)=0.05P(Z \geq 1.645) = 0.05なので、
x50.4=1.645\frac{x - 5}{0.4} = 1.645
x5=1.645×0.4=0.658x - 5 = 1.645 \times 0.4 = 0.658
x=5+0.658=5.658x = 5 + 0.658 = 5.658
次に、H1H_1が真であるときのXˉ\bar{X}の分布はN(6,0.16)N(6, 0.16)です。このとき、P(Xˉx)P(\bar{X} \leq x)、つまりP(Xˉ5.658)P(\bar{X} \leq 5.658)を求めます。
標準化すると、Z=Xˉ60.16=Xˉ60.4Z = \frac{\bar{X} - 6}{\sqrt{0.16}} = \frac{\bar{X} - 6}{0.4}となります。
P(Xˉ5.658)=P(Z5.65860.4)=P(Z0.3420.4)=P(Z0.855)P(\bar{X} \leq 5.658) = P(Z \leq \frac{5.658 - 6}{0.4}) = P(Z \leq \frac{-0.342}{0.4}) = P(Z \leq -0.855)
標準正規分布表から、P(Z0.855)0.196P(Z \leq -0.855) \approx 0.196となります。

3. 最終的な答え

問1:
(1) a=1.645a = 1.645
(2) b=2.33b = 2.33
問2:
(1) XˉN(5,0.16)\bar{X} \sim N(5, 0.16)
(2) XˉN(6,0.16)\bar{X} \sim N(6, 0.16)
(3) x=5.658x = 5.658, P(Xˉx)=0.196P(\bar{X} \leq x) = 0.196

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