数直線上の原点にある点Pに対して、サイコロを振って5以上の目が出ればPを正の向きに2だけ動かし、それ以外の目が出れば負の向きに1だけ動かすという操作を3回行う。 (1) 点Pの座標が3である確率を求めよ。 (2) 点Pの座標をXとするとき、Xの期待値を求めよ。

確率論・統計学確率期待値確率変数サイコロ
2025/6/3

1. 問題の内容

数直線上の原点にある点Pに対して、サイコロを振って5以上の目が出ればPを正の向きに2だけ動かし、それ以外の目が出れば負の向きに1だけ動かすという操作を3回行う。
(1) 点Pの座標が3である確率を求めよ。
(2) 点Pの座標をXとするとき、Xの期待値を求めよ。

2. 解き方の手順

(1)
5以上の目が出る確率は 26=13\frac{2}{6} = \frac{1}{3}であり、それ以外の目が出る確率は 46=23\frac{4}{6} = \frac{2}{3}である。
3回の操作で点Pの座標が3になるのは、正の向きに2だけ動く操作を2回、負の向きに1だけ動く操作を1回行った場合である。
この操作の組み合わせは3通りある。
正,正,負
正,負,正
負,正,正
したがって、点Pの座標が3である確率は
3×(13)2×23=3×19×23=627=293 \times (\frac{1}{3})^2 \times \frac{2}{3} = 3 \times \frac{1}{9} \times \frac{2}{3} = \frac{6}{27} = \frac{2}{9}
(2)
Xは確率変数であり、3回の操作後の点Pの座標を表す。
Xがとりうる値は、以下の通り。
- 3回とも正の向きに動く場合: 2×3=62 \times 3 = 6
- 2回正の向き、1回負の向き: 2×21=32 \times 2 - 1 = 3
- 1回正の向き、2回負の向き: 21×2=02 - 1 \times 2 = 0
- 3回とも負の向き: 1×3=3-1 \times 3 = -3
それぞれの確率を計算する。
- P(X=6)=(13)3=127P(X=6) = (\frac{1}{3})^3 = \frac{1}{27}
- P(X=3)=3×(13)2×23=627=29P(X=3) = 3 \times (\frac{1}{3})^2 \times \frac{2}{3} = \frac{6}{27} = \frac{2}{9}
- P(X=0)=3×13×(23)2=3×13×49=1227=49P(X=0) = 3 \times \frac{1}{3} \times (\frac{2}{3})^2 = 3 \times \frac{1}{3} \times \frac{4}{9} = \frac{12}{27} = \frac{4}{9}
- P(X=3)=(23)3=827P(X=-3) = (\frac{2}{3})^3 = \frac{8}{27}
Xの期待値は
E(X)=6×127+3×627+0×1227+(3)×827=6+18+02427=027=0E(X) = 6 \times \frac{1}{27} + 3 \times \frac{6}{27} + 0 \times \frac{12}{27} + (-3) \times \frac{8}{27} = \frac{6 + 18 + 0 - 24}{27} = \frac{0}{27} = 0

3. 最終的な答え

(1) 29\frac{2}{9}
(2) 0

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