50人の学生に学年と数学が好きかどうかをアンケートした結果が表で与えられている。表の空欄を埋め、独立期待度数表を作成し、カイ二乗値を計算し、学年と数学が好きかどうかに関係があるかを判断する。

確率論・統計学統計的検定カイ二乗検定独立性検定統計的仮説検定
2025/5/31

1. 問題の内容

50人の学生に学年と数学が好きかどうかをアンケートした結果が表で与えられている。表の空欄を埋め、独立期待度数表を作成し、カイ二乗値を計算し、学年と数学が好きかどうかに関係があるかを判断する。

2. 解き方の手順

(1) 表の空欄を埋める。
まず、1年生の合計を計算する。19+9=2819 + 9 = 28 なので、⑦は28。
次に、2年生で数学が好きな人の数を計算する。全体の人数は50人であり、1年生が28人なので、2年生は5028=2250 - 28 = 22人。 2年生で数学が嫌いな人は18人なので、好きな人は2218=422 - 18 = 4人。 よって、⑥は4。
次に、数学が嫌いな人の合計を計算する。9+18=279 + 18 = 27 なので、⑧は27。
最後に、合計の合計を計算すると、23+27=5023 + 27 = 50 となるので、⑨は50。
(2) 独立期待度数表を作成する。
各セルの期待度数は、(行の合計列の合計)/全体の合計 (行の合計 * 列の合計) / 全体の合計 で計算される。
* 1年生で数学が好き:(2823)/50=12.88 (28 * 23) / 50 = 12.88
* 1年生で数学が嫌い:(2827)/50=15.12 (28 * 27) / 50 = 15.12
* 2年生で数学が好き:(2223)/50=10.12 (22 * 23) / 50 = 10.12
* 2年生で数学が嫌い:(2227)/50=11.88 (22 * 27) / 50 = 11.88
(3) カイ二乗値を計算する。
カイ二乗値は、χ2=(観測度数期待度数)2期待度数\chi^2 = \sum \frac{(観測度数 - 期待度数)^2}{期待度数} で計算される。
χ2=(1912.88)212.88+(915.12)215.12+(410.12)210.12+(1811.88)211.88\chi^2 = \frac{(19 - 12.88)^2}{12.88} + \frac{(9 - 15.12)^2}{15.12} + \frac{(4 - 10.12)^2}{10.12} + \frac{(18 - 11.88)^2}{11.88}
χ2=(6.12)212.88+(6.12)215.12+(6.12)210.12+(6.12)211.88\chi^2 = \frac{(6.12)^2}{12.88} + \frac{(-6.12)^2}{15.12} + \frac{(-6.12)^2}{10.12} + \frac{(6.12)^2}{11.88}
χ2=37.454412.88+37.454415.12+37.454410.12+37.454411.88\chi^2 = \frac{37.4544}{12.88} + \frac{37.4544}{15.12} + \frac{37.4544}{10.12} + \frac{37.4544}{11.88}
χ2=2.908+2.477+3.701+3.153=12.239\chi^2 = 2.908 + 2.477 + 3.701 + 3.153 = 12.239
(4) 関係があるかどうかを判断する。
自由度(df)は、(行数 - 1) * (列数 - 1) = (2 - 1) * (2 - 1) = 1。
有意水準を0.05と仮定すると、自由度1のカイ二乗分布表から、χ2\chi^2 の臨界値は3.841。
計算されたカイ二乗値 (12.239) は臨界値 (3.841) よりも大きいので、帰無仮説(学年と数学が好きかどうかは独立である)を棄却する。したがって、学年と数学が好きかどうかには関係がある。

3. 最終的な答え

(1) ⑦: 28, ⑥: 4, ⑧: 27, ⑨: 50
(2) 独立期待度数表
| 学年 | 数学が好き | 数学が嫌い |
|---|---|---|
| 1年 | 12.88 | 15.12 |
| 2年 | 10.12 | 11.88 |
(3) カイ二乗値: 12.2
(4) 関係: 関係がある

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