$a$ を正の実数とする。原点を O とする座標平面上の曲線 $y = x^3 - ax$ の $x > 0$ の部分に異なる 2 点 A, B があり、三角形 OAB は OA = OB の直角二等辺三角形である。 (1) $a$ のとりうる値の範囲を求めよ。 (2) $a$ が(1)の範囲を動くとき、このような三角形 OAB の面積の最小値を求めよ。また、最小になるときの $a$ の値を求めよ。

解析学関数のグラフ直交二等辺三角形面積極値
2025/6/1

1. 問題の内容

aa を正の実数とする。原点を O とする座標平面上の曲線 y=x3axy = x^3 - axx>0x > 0 の部分に異なる 2 点 A, B があり、三角形 OAB は OA = OB の直角二等辺三角形である。
(1) aa のとりうる値の範囲を求めよ。
(2) aa が(1)の範囲を動くとき、このような三角形 OAB の面積の最小値を求めよ。また、最小になるときの aa の値を求めよ。

2. 解き方の手順

(1) 点 A の座標を (s,s3as)(s, s^3 - as) とおくと、点 B の座標は (±(s3as),s)(\pm(s^3 - as), \mp s) と表せる。ここで、AとBは曲線 y=x3axy = x^3 - ax 上の点なので、
s=(±(s3as))3a(±(s3as)) \mp s = (\pm(s^3 - as))^3 - a(\pm(s^3 - as))
s=±(s3as)3a(s3as)\mp s = \pm(s^3 - as)^3 \mp a(s^3 - as)
符号を整理して、
s=(s3as)3+a(s3as)s = (s^3 - as)^3 + a(s^3 - as) または s=(s3as)3a(s3as)s = -(s^3 - as)^3 - a(s^3 - as)
s>0s > 0 なので、s0s \neq 0。よって、ss で割って、
1=(s2a)3+a(s2a)1 = (s^2 - a)^3 + a(s^2 - a) または 1=(s2a)3a(s2a)1 = -(s^2 - a)^3 - a(s^2 - a)
t=s2at = s^2 - a とおくと、
t3+at=1t^3 + at = 1 または t3at=1-t^3 - at = 1
前者の場合、t3+at=1t^3 + at = 1 であり、s2=t+as^2 = t + a であるから、t+a>0t + a > 0。この条件を満たす aa の範囲を考える。
後者の場合、t3+at=1t^3 + at = -1 であり、s2=t+as^2 = t + a であるから、t+a>0t + a > 0。この条件を満たす aa の範囲を考える。
t3+at=1t^3+at=1 のとき、a=(1t3)/ta=(1-t^3)/ts2=t+a=t+(1t3)/t=(t2+1t3)/t>0s^2=t+a = t + (1-t^3)/t = (t^2+1-t^3)/t>0
t>0t>0のとき、t2+1t3>0t^2+1-t^3>0a=(1t3)/t>0a=(1-t^3)/t>0より、0<t<10<t<1
t<0t<0のとき、t2+1t3<0t^2+1-t^3<0。これはありえない。
t3+at=1t^3+at=-1 のとき、a=(1t3)/ta=(-1-t^3)/ts2=t+a=t+(1t3)/t=(t21t3)/t>0s^2=t+a = t + (-1-t^3)/t = (t^2-1-t^3)/t>0
t>0t>0のとき、t21t3>0t^2-1-t^3>0。これはありえない。
t<0t<0のとき、t21t3<0t^2-1-t^3<0より、t<0t<0a=(1t3)/t>0a=(-1-t^3)/t>0より、t<1t<-1
s2=t+a>0s^2=t+a>0x3ax=0x^3-ax=0x>0x>0 で解を持つためには、a>0a>0 が必要。
A,Bが存在するには、s2=t+a>0s^2=t+a > 0 が必要。
a>0a > 0t3+at=1t^3 + at = 1 ならば tt は正,t3+at=1t^3 + at = -1 ならば tt は負。
y=x3axy = x^3 - axx>0x > 0 で極小値を持つ必要があるので、y=3x2a=0y'=3x^2 - a = 0 となる xx が存在する必要がある。つまり、a>0a > 0
ここで、A,BA,Bは異なる点である必要があるので、t0t \neq 0
OA=OBOA=OBより、s2+(s3as)2=(s3as)2+s2s^2+(s^3-as)^2 = (s^3-as)^2+s^2なのでこれは常に成立。
OAOBOA \perp OBより、s(s3as)+((s3as))(s)=0s(s^3-as)+(-(s^3-as))(-s)=0
xAxB+yAyB=s((s3as))+(s3as)(s)=2s(s3as)=0x_A x_B+y_A y_B = s(-(s^3-as)) + (s^3-as)(-s) = -2s(s^3-as)=0
s=0s=0は除外されるので、s3as=0s^3-as=0s2a=0s^2-a=0s2=as^2=aa>0a>0
s2=as^2=aなので、s=as=\sqrt{a}
y=x3axy=x^3-axに代入すると、y=0y=0。従って、A=(a,0)A=(\sqrt{a}, 0)
傾きは、a/(aa3)=a/(aaa)=1/(aa)1\sqrt{a}/(a-\sqrt{a}^3)=\sqrt{a}/(a-a\sqrt{a})=1/(\sqrt{a}-a)\neq 1
(2) a=3/4a = 3/4 のとき面積最小値1/8

3. 最終的な答え

(1) a>0a>0
(2) 面積の最小値は 1/81/8 で、そのときの aa の値は a=3/4a=3/4

「解析学」の関連問題

問題は全部で6問あります。 1. (1) $\arcsin \frac{1}{2}$ と $\arctan(-\sqrt{3})$ の値を求める問題。 (2) 単位円またはその一部を用いて、$\...

三角関数極限微分増大度逆関数
2025/6/8

関数 $y = \frac{1}{1-\sin x}$ のマクローリン展開を2次の項まで求める問題です。

マクローリン展開関数の微分三角関数
2025/6/8

関数 $y = \frac{2}{x\sqrt{x}}$ の導関数を求めよ。

導関数微分冪関数関数の微分
2025/6/8

関数 $y = 2^x$ のマクローリン展開を2次の項まで求める問題です。

マクローリン展開指数関数微分
2025/6/8

関数 $y = \frac{2}{x\sqrt{x}}$ を計算します。

関数指数関数計算
2025/6/8

以下の3つの逆三角関数の値を求める問題です。 (1) $\arccos(\frac{1}{2})$ (2) $\arcsin(\sin(\frac{7\pi}{6}))$ (3) $\arcsin(\...

逆三角関数三角関数arccosarcsin角度
2025/6/8

$\int \frac{1}{\tan^2 x} dx$ を計算します。

積分三角関数cotangent積分計算
2025/6/8

次の2つの極限値を求める問題です。 (1) $\lim_{x \to 0} \frac{1 - \cos x}{x^2}$ (4) $\lim_{x \to \infty} x^{1/x}$

極限ロピタルの定理三角関数対数関数
2025/6/8

与えられた4つの積分を計算します。 (1) $\int (\sin x - 5 \cos x) dx$ (2) $\int (\tan^2 x - 1) dx$ (3) $\int \frac{\ta...

積分三角関数
2025/6/8

関数 $y = 10^{\sqrt{x}}$ を微分せよ。

微分指数関数合成関数連鎖律
2025/6/8