関数 $f(z) = \frac{1}{z-a}$ (ただし $z = x + iy$)の微分係数を求め、特に $z_0$ における微分係数を求めます。ここで $a = a + ib$ ($a, b$ は実数)とおき、$b=0$ の場合と $b \neq 0$ の場合に分けて考える必要があります。

解析学複素関数微分微分係数複素数
2025/6/1

1. 問題の内容

関数 f(z)=1zaf(z) = \frac{1}{z-a} (ただし z=x+iyz = x + iy)の微分係数を求め、特に z0z_0 における微分係数を求めます。ここで a=a+iba = a + iba,ba, b は実数)とおき、b=0b=0 の場合と b0b \neq 0 の場合に分けて考える必要があります。

2. 解き方の手順

まず、f(z)f(z) の微分を計算します。
f(z)=ddz(1za)=1(za)2f'(z) = \frac{d}{dz} \left( \frac{1}{z-a} \right) = -\frac{1}{(z-a)^2}
次に、z=z0z=z_0 における微分係数 f(z0)f'(z_0) を求めます。
f(z0)=1(z0a)2f'(z_0) = -\frac{1}{(z_0 - a)^2}
ここで、z0z_0 が実数であるかどうかによって場合分けをします。
z0=x0+iy0z_0 = x_0 + iy_0 と表します。
f(z0)=1(x0+iy0aib)2=1(x0a+i(y0b))2f'(z_0) = -\frac{1}{(x_0 + iy_0 - a - ib)^2} = -\frac{1}{(x_0 - a + i(y_0 - b))^2}
さらに、b=0b=0 の場合と b0b \neq 0 の場合に分けて計算します。
* b=0b = 0 の場合:
a=aa = a は実数なので、
f(z0)=1(x0+iy0a)2=1(x0a+iy0)2f'(z_0) = -\frac{1}{(x_0 + iy_0 - a)^2} = -\frac{1}{(x_0 - a + iy_0)^2}
f(z0)=1(x0a)2y02+2iy0(x0a)f'(z_0) = -\frac{1}{(x_0-a)^2 - y_0^2 + 2iy_0(x_0-a)}
* b0b \neq 0 の場合:
a=a+iba = a + ib は複素数なので、
f(z0)=1(x0+iy0aib)2=1(x0a+i(y0b))2f'(z_0) = -\frac{1}{(x_0 + iy_0 - a - ib)^2} = -\frac{1}{(x_0 - a + i(y_0 - b))^2}
f(z0)=1(x0a)2(y0b)2+2i(x0a)(y0b)f'(z_0) = -\frac{1}{(x_0-a)^2 - (y_0 -b)^2 + 2i(x_0 - a)(y_0-b)}

3. 最終的な答え

f(z0)=1(z0a)2f'(z_0) = -\frac{1}{(z_0 - a)^2}
b=0b=0のとき、
f(z0)=1(x0a+iy0)2f'(z_0) = -\frac{1}{(x_0-a+iy_0)^2}
b0b \neq 0のとき、
f(z0)=1(x0a+i(y0b))2f'(z_0) = -\frac{1}{(x_0-a+i(y_0 -b))^2}

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