1から $n$ までの番号が書かれた $n$ 枚のカードを、区別しない3つの箱に入れる。カードが入らない箱があっても良い。 (ウ) 2つ以上の箱にカードが入るような入れ方の総数を求める。 (エ) カードの入れ方の総数を求める。

離散数学組み合わせ数え上げスターリング数分割
2025/6/1

1. 問題の内容

1から nn までの番号が書かれた nn 枚のカードを、区別しない3つの箱に入れる。カードが入らない箱があっても良い。
(ウ) 2つ以上の箱にカードが入るような入れ方の総数を求める。
(エ) カードの入れ方の総数を求める。

2. 解き方の手順

(ウ) 2つ以上の箱にカードが入る入れ方を求める。
全事象から、1つの箱に全てのカードが入る場合を引くことで計算する。
全事象は、各カードに対して3つの箱の選択肢があるので、3n3^n通り。ただし、箱は区別しないので、すべてまとめて1つの箱に入れる方法は1通り。
よって、1つの箱に全てのカードが入る入れ方は1通り。
2つ以上の箱にカードが入る入れ方は、3n3^n から 「1つの箱に全てのカードが入る場合」と「どの箱にもカードが入らない場合」を取り除き、箱の区別をなくす操作が必要となる。
まず、箱を区別する場合を考える。各カードは3つの箱のいずれかに入るので、3n3^n 通りの入れ方がある。
このうち、全てのカードが1つの箱に入るのは3通り(箱1つを選ぶ)。
従って、2つ以上の箱にカードが入る入れ方は、3n33^n - 3 通り。
箱は区別しないので、この結果を調整する必要がある。
3つの箱のうち、2つにカードが入る場合を考える。箱の選び方は (32)=3{3 \choose 2} = 3 通り。1つの箱にすべてのカードが入る場合を引く必要がある。
箱を区別しないので、

1. 1つの箱にすべて入る場合: 1通り

2. 2つの箱に分かれる場合: $S(n,2)$ (第二種スターリング数)通り

3. 3つの箱に分かれる場合: $S(n,3)$ (第二種スターリング数)通り

ただし、S(n,k)S(n,k) は第二種スターリング数で、n個のものをk個の区別しない集合に分割する方法の数。
したがって、2つ以上の箱にカードが入る入れ方は、S(n,2)+S(n,3)S(n, 2) + S(n, 3) 通り。
全事象は、各カードに対して3つの箱の選択肢があるので、3n3^n通り。ただし、箱は区別しない。箱が区別できるなら、各カードは3つの箱のいずれかに入れるので、3n3^n通り。箱を区別しないので、全事象は
S(n,1)+S(n,2)+S(n,3)S(n,1)+S(n,2)+S(n,3) 通り。ただし、S(n,1)=1S(n,1) = 1.
カードが入らない箱があってもよいので、カードの入れ方の総数は
S(n,1)+S(n,2)+S(n,3)S(n, 1) + S(n, 2) + S(n, 3) 通り。
S(n,2)=12(2n2)S(n,2) = \frac{1}{2}(2^n - 2)
S(n,3)=16(3n32n+3)S(n,3) = \frac{1}{6}(3^n - 3 \cdot 2^n + 3)
よって、S(n,1)+S(n,2)+S(n,3)=1+12(2n2)+16(3n32n+3)=16(3n+32n)S(n,1) + S(n,2) + S(n,3) = 1 + \frac{1}{2}(2^n - 2) + \frac{1}{6}(3^n - 3 \cdot 2^n + 3) = \frac{1}{6}(3^n + 3 \cdot 2^n).
ウ: 12(2n2)+16(3n32n+3)=3n+32n+661=3n36+2n22\frac{1}{2}(2^n-2) + \frac{1}{6}(3^n-3 \cdot 2^n+3) = \frac{3^n+3 \cdot 2^n+6}{6} - 1= \frac{3^n-3}{6} + \frac{2^n-2}{2}
カードの入れ方の総数は3n+32n+66\frac{3^n + 3 \cdot 2^n + 6}{6}

3. 最終的な答え

ウ: 3n36+2n22\frac{3^n - 3}{6} + \frac{2^n-2}{2}
エ: 3n+32n+66\frac{3^n + 3 \cdot 2^n + 6}{6}

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