(1) $f(x) = x^3 + 10x^2 + 20x$ とする。$f(n)$ が素数となるような整数 $n$ を全て求めよ。 (2) $a, b$ を整数の定数とし、$g(x) = x^3 + ax^2 + bx$ とする。$g(n)$ が素数となるような整数 $n$ の個数は3個以下であることを示せ。

代数学多項式因数分解素数整数の性質
2025/6/1

1. 問題の内容

(1) f(x)=x3+10x2+20xf(x) = x^3 + 10x^2 + 20x とする。f(n)f(n) が素数となるような整数 nn を全て求めよ。
(2) a,ba, b を整数の定数とし、g(x)=x3+ax2+bxg(x) = x^3 + ax^2 + bx とする。g(n)g(n) が素数となるような整数 nn の個数は3個以下であることを示せ。

2. 解き方の手順

(1) f(x)=x3+10x2+20x=x(x2+10x+20)f(x) = x^3 + 10x^2 + 20x = x(x^2 + 10x + 20) と因数分解できる。
f(n)f(n) が素数となるためには、xx または x2+10x+20x^2+10x+20 のどちらかが1である必要がある。
f(n)f(n) が素数となるためには、nn は2以上の整数でなければならないので、nn11 になることはない。
n=1n=1 のとき、f(1)=1+10+20=31f(1) = 1 + 10 + 20 = 31 となり、素数である。
n2+10n+20=1n^2 + 10n + 20 = 1 の場合を考える。
n2+10n+19=0n^2 + 10n + 19 = 0
n=10±1004(19)2=10±242=5±6n = \frac{-10 \pm \sqrt{100 - 4(19)}}{2} = \frac{-10 \pm \sqrt{24}}{2} = -5 \pm \sqrt{6}.
nn は整数なので、この場合は存在しない。
xx が素数であるためには、x2+10x+20=1x^2+10x+20 = 1 であることが必要で、x2+10x+19=0x^2+10x+19=0の解は整数ではないため、x=1x=1のとき、f(1)=31f(1)=31が素数となる場合のみ考慮する。
したがって、f(n)=n(n2+10n+20)f(n) = n(n^2 + 10n + 20) が素数となるのは、n=1n=1 のときのみである。
(2) g(x)=x3+ax2+bx=x(x2+ax+b)g(x) = x^3 + ax^2 + bx = x(x^2 + ax + b)
g(n)g(n) が素数となるためには、n(n2+an+b)n(n^2+an+b) の絶対値が素数になる必要がある。
nn が整数のとき、nn11 または 1-1 である必要がある。
n=1n=1 のとき、g(1)=1+a+bg(1) = 1 + a + b が素数になる。
n=1n=-1 のとき、g(1)=1+abg(-1) = -1 + a - b が素数になる。
n=kn=k のとき、g(k)=k(k2+ak+b)g(k) = k(k^2+ak+b) が素数になる。
nn の個数が3個以下であることを示す。
nn が整数のとき、nn または n2+an+bn^2+an+b のどちらかが 11 または 1-1 でなければならない。
n=1n=1 のとき、g(1)=1+a+bg(1) = 1+a+b
n=1n=-1 のとき、g(1)=1+abg(-1) = -1+a-b
n2+an+b=1n^2+an+b = 1 を満たす nn は高々2つ
n2+an+b=1n^2+an+b = -1 を満たす nn は高々2つ
n=0n=0 のとき、g(0)=0g(0) = 0 なので、素数ではない。
g(n)g(n) が素数となるような nnx=1x=1x=1x=-1x=kx=kの3つと考えることができるが、n2+an+b=1n^2+an+b=1またはn2+an+b=1n^2+an+b=-1の解が2つとなる場合があるため、g(n)g(n) が素数となるような nn の個数は3個以下である。

3. 最終的な答え

(1) n=1n=1
(2) g(n)g(n) が素数となるような整数 nn の個数は3個以下である。

「代数学」の関連問題

与えられた3つの対数を含む式をそれぞれ簡略化する。 (1) $\log_3\sqrt{32} + \log_9 54 - \log_{\sqrt{3}} 6$ (2) $(\log_4 9 - \lo...

対数対数関数指数法則
2025/6/3

ベクトル $\vec{a} = (2, 4, 3)$, $\vec{b} = (9, -3, 1)$, $\vec{c} = (-4, 5, 2)$, $\vec{d} = (8, 13, 11)$ ...

ベクトル連立方程式線形代数
2025/6/3

$\sqrt{(x-2)^2}$ を簡略化する問題です。

絶対値根号式の簡略化
2025/6/3

与えられた数式の絶対値を求める問題です。 数式は$|x + 3|$です。具体的な $x$ の値は与えられていません。

絶対値不等式場合分け
2025/6/3

与えられた式 $\sqrt{(x-2)^2}$ を簡略化する問題です。

平方根絶対値式の簡略化数式処理
2025/6/3

次の3つの式を計算する問題です。 (1) $\sqrt[3]{54} - \sqrt[3]{250} + \sqrt[3]{16}$ (2) $\sqrt{2} \div \sqrt[4]{4} \t...

根号累乗根式の計算
2025/6/3

3つの対数に関する式をそれぞれ簡単にします。

対数指数
2025/6/3

## 1. 問題の内容

因数分解多項式
2025/6/3

問題は、次の2つの式の展開式における $x^2$ と $x^3$ の項の係数をそれぞれ求めることです。 (1) $(2x+1)^5$ (2) $(3x-2)^6$

二項定理展開係数
2025/6/3

ベクトル $A = (2, 2, 1)$、ベクトル $B = (0.5, 0, 0.5)$ について、以下の問題を解きます。 (a) $A + B$ および $(B - A) \cdot A$ を求め...

ベクトルベクトルの加減算ベクトルの内積ベクトルの大きさ角度
2025/6/3