全体集合 $U = \{1, 2, 3, 4, 5\}$ の部分集合 $A, B$ について、以下の問いに答えます。 (1) $n(A) = 1$ を満たす集合 $A$ の総数を求めます。 (2) $n(B) = 2$ を満たす集合 $B$ の総数を求めます。 (3) $n(A) = 1$ かつ $n(B) = 2$ を満たす集合 $A, B$ の組 $(A, B)$ の総数を求めます。

離散数学集合組み合わせ集合の要素数場合の数
2025/6/1

1. 問題の内容

全体集合 U={1,2,3,4,5}U = \{1, 2, 3, 4, 5\} の部分集合 A,BA, B について、以下の問いに答えます。
(1) n(A)=1n(A) = 1 を満たす集合 AA の総数を求めます。
(2) n(B)=2n(B) = 2 を満たす集合 BB の総数を求めます。
(3) n(A)=1n(A) = 1 かつ n(B)=2n(B) = 2 を満たす集合 A,BA, B の組 (A,B)(A, B) の総数を求めます。

2. 解き方の手順

(1) n(A)=1n(A) = 1 のとき、集合 AAUU の要素を1つだけ含む集合です。AA に含まれる要素の選び方は、UU の要素数である5個から1つを選ぶ組み合わせの数だけ存在します。
したがって、求める総数は 5C1_5C_1 で計算できます。
(2) n(B)=2n(B) = 2 のとき、集合 BBUU の要素を2つだけ含む集合です。BB に含まれる要素の選び方は、UU の要素数である5個から2つを選ぶ組み合わせの数だけ存在します。
したがって、求める総数は 5C2_5C_2 で計算できます。
(3) n(A)=1n(A) = 1 かつ n(B)=2n(B) = 2 のとき、集合 AAUU の要素を1つだけ含み、集合 BBUU の要素を2つだけ含む必要があります。
まず、AA に含まれる要素を選びます。これは5通りの選び方があります。
次に、BB に含まれる要素を選びます。AA に含まれる要素が、BB に含まれるか、含まれないかで場合分けします。
(i) AA の要素が BB に含まれる場合:
AA に含まれる要素は1つ決まっているので、BB に含まれるもう1つの要素は、AA の要素以外の4つの要素から1つ選ぶ必要があります。選び方は 4C1=4_4C_1 = 4 通りです。
(ii) AA の要素が BB に含まれない場合:
BB に含まれる2つの要素は、AA の要素以外の4つの要素から2つ選ぶ必要があります。選び方は 4C2=4×32×1=6_4C_2 = \frac{4 \times 3}{2 \times 1} = 6 通りです。
したがって、組 (A,B)(A, B) の総数は、AA の選び方が5通りで、それぞれの場合についてBBの選び方が (i) の場合4通り, (ii) の場合 6通りあります。しかし、(i) (ii)を同時に考慮することはできないので、以下の様に考えます。
まず集合 A を決めると 5通りあります。
次に集合 B を決めます。集合B の要素のうち、A の要素と一致するものがあるか無いかで場合分けします。
(i) 集合 B の要素の一つが集合 A の要素と一致するとき
Aの要素以外の4つの要素から残り一つを選びます。4C1=4_4C_1 = 4 通りです。
(ii) 集合 B の要素のどちらも集合 A の要素と一致しないとき
Aの要素以外の4つの要素から2つを選びます。4C2=6_4C_2 = 6 通りです。
したがって、求める組の総数は、 5×(4+6)=5×10=505 \times (4+6) = 5 \times 10 = 50ではありません。
まず、集合 A の要素を aa とします。次に、集合 B の要素を b,cb, c とします。
集合 A と集合 B が決まる組 (A,B)(A, B) の総数を求めるので
集合 A を決める 5通り
集合 B を決める 5C2_{5}C_{2} = 10通り
ここで注意が必要なのが、 集合 B が {b,c}\{b, c\}{c,b}\{c, b\} は同じであるので、この重複は考えません。
(A,B)(A, B) の総数を考えるので、 A と B が決まれば良いことになります。
A の要素 a と B の要素 b, c の関係性を考えます。
(i) a = b のとき A = {a} B = {a, x} (x ≠ a) このような集合Bは 4通り
(ii) a ≠ b かつ a ≠ c のとき A = {a} B = {x, y} (x ≠ a かつ y ≠ a)  この様な集合Bは 6通り
以上より、5×(4+6)=505 \times (4+6) = 50 通りではありません。
A={a}A = \{a\} とします。
B={a,x}B = \{a, x\} となる選び方は 4通りです。
B={x,y}B = \{x, y\} (ただし xa,yax \ne a, y \ne a) となる選び方は 4C2=6_4C_2 = 6 通りです。
したがって、組 (A,B)(A,B) の個数は 5×4=205 \times 4 = 205×6=305 \times 6 = 30 を足してはいけません。
集合 A, B が {1,2,3,4,5}\{1,2,3,4,5\} の部分集合であるので、A,B の全てのパターンは、Aを先に決めると5通り、Bを決めると10通りで 5×10=505 \times 10 = 50 通りあります。

3. 最終的な答え

(1) 5
(2) 10
(3) 50

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