## 問題の概要

離散数学グラフ理論最適化操作回数移動回数
2025/6/1
## 問題の概要
正七角形の各頂点 AkA_k に積まれたブロックの個数 aka_k が与えられています。隣り合う頂点の間でブロックを移動させる操作を繰り返し、すべての頂点に積まれたブロックの個数を等しくすることが目標です。
(1) AkA_k から Ak+1A_{k+1} へブロックが運ばれた回数を xkx_kAk+1A_{k+1} から AkA_k へブロックが運ばれた回数を yky_k とし、zk=xkykz_k = x_k - y_k と定義します。zkz_k (2k7)(2 \le k \le 7)z1z_1 で表す必要があります。ただし、A8A_8A1A_1 とします。
(2) すべての頂点に積まれたブロックの個数を等しくするための操作回数の最小値を求めます。
## 解き方の手順
(1) zkz_kz1z_1 で表す
まず、aka_k の総和を求め、それを7で割ることで、すべての頂点に等しく積み上げられたときのブロックの個数を求めます。
S=k=17ak=24+15+17+13+28+14+29=140S = \sum_{k=1}^{7} a_k = 24 + 15 + 17 + 13 + 28 + 14 + 29 = 140
平均値は 140/7=20140/7 = 20 です。したがって、各頂点に最終的に20個のブロックが積まれることになります。
zk=xkykz_k = x_k - y_k は、頂点 AkA_k から Ak+1A_{k+1} 方向に移動したブロックの正味の個数を示します。
頂点 A1A_1 に注目すると、最終的に20個のブロックになる必要があります。つまり、a1=24a_1 = 24 から 20 にするために、いくつかのブロックを隣の頂点に移動させる必要があります。
一般に、頂点 AkA_k のブロックの個数の変化は、zk1zk=ak20z_{k-1} - z_k = a_k - 20 で表されます。ここで、z0=z7z_0 = z_7 とします。
zk=xkykz_k = x_k - y_k と定義されているので、zkz_kz1z_1を用いて表します。
zk1zk=ak20z_{k-1} - z_k = a_k - 20 より、zk=zk1(ak20)z_k = z_{k-1} - (a_k - 20)
したがって、
z2=z1(a220)=z1(1520)=z1+5z_2 = z_1 - (a_2 - 20) = z_1 - (15 - 20) = z_1 + 5
z3=z2(a320)=z1+5(1720)=z1+5+3=z1+8z_3 = z_2 - (a_3 - 20) = z_1 + 5 - (17 - 20) = z_1 + 5 + 3 = z_1 + 8
z4=z3(a420)=z1+8(1320)=z1+8+7=z1+15z_4 = z_3 - (a_4 - 20) = z_1 + 8 - (13 - 20) = z_1 + 8 + 7 = z_1 + 15
z5=z4(a520)=z1+15(2820)=z1+158=z1+7z_5 = z_4 - (a_5 - 20) = z_1 + 15 - (28 - 20) = z_1 + 15 - 8 = z_1 + 7
z6=z5(a620)=z1+7(1420)=z1+7+6=z1+13z_6 = z_5 - (a_6 - 20) = z_1 + 7 - (14 - 20) = z_1 + 7 + 6 = z_1 + 13
z7=z6(a720)=z1+13(2920)=z1+139=z1+4z_7 = z_6 - (a_7 - 20) = z_1 + 13 - (29 - 20) = z_1 + 13 - 9 = z_1 + 4
(2) 操作回数の最小値を求める
全体の操作回数は k=17xk+yk\sum_{k=1}^{7} |x_k| + |y_k| となりますが、これは k=17zk\sum_{k=1}^{7} |z_k| ではありません。
k=17zk=0\sum_{k=1}^{7} z_k = 0 でなければなりません。
k=17zk=z1+(z1+5)+(z1+8)+(z1+15)+(z1+7)+(z1+13)+(z1+4)=7z1+52=0\sum_{k=1}^{7} z_k = z_1 + (z_1+5) + (z_1+8) + (z_1+15) + (z_1+7) + (z_1+13) + (z_1+4) = 7z_1 + 52 = 0
よって、z1=527z_1 = -\frac{52}{7}
z1z_1は整数でなければならないので、上記の計算は誤りです。
k=17(ak20)=0\sum_{k=1}^{7} (a_k - 20) = 0 であることを利用して、k=17(zk1zk)=k=17(ak20)=0\sum_{k=1}^{7} (z_{k-1} - z_k) = \sum_{k=1}^{7} (a_k - 20) = 0
z0=z7z_0 = z_7 なので、k=17(zk1zk)=0\sum_{k=1}^{7} (z_{k-1} - z_k) = 0 は常に成立します。
最小操作回数を求めるには、各頂点のブロックを20個にするために必要な移動回数を考えます。これは ak20|a_k - 20| の総和にはなりません。例えば、a1=24からa2=15へ4個移動させる場合、逆に戻すことがないならば、z1=4|z_1|=4 です。
全体の移動回数は少なくとも k=17ak20/2\sum_{k=1}^7 |a_k - 20| / 2 以上になります。
k=17ak20=2420+1520+1720+1320+2820+1420+2920=4+5+3+7+8+6+9=42\sum_{k=1}^7 |a_k - 20| = |24-20| + |15-20| + |17-20| + |13-20| + |28-20| + |14-20| + |29-20| = 4 + 5 + 3 + 7 + 8 + 6 + 9 = 42
したがって、移動回数は少なくとも 42/2=2142/2 = 21 回必要です。
## 最終的な答え
(1)
z2=z1+5z_2 = z_1 + 5
z3=z1+8z_3 = z_1 + 8
z4=z1+15z_4 = z_1 + 15
z5=z1+7z_5 = z_1 + 7
z6=z1+13z_6 = z_1 + 13
z7=z1+4z_7 = z_1 + 4
(2) 21

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