初項が -29、公差が3である等差数列 $\{a_n\}$ において、初項から第 $n$ 項までの和を $S_n$ とする。 (1) $S_n$ が最小となる $n$ の値を求める。 (2) $S_n$ が正の数となる最小の $n$ の値を求める。

代数学等差数列数列の和最小値不等式
2025/6/1

1. 問題の内容

初項が -29、公差が3である等差数列 {an}\{a_n\} において、初項から第 nn 項までの和を SnS_n とする。
(1) SnS_n が最小となる nn の値を求める。
(2) SnS_n が正の数となる最小の nn の値を求める。

2. 解き方の手順

(1) SnS_n が最小となる nn の値を求める。
等差数列の一般項 ana_n は、an=a1+(n1)da_n = a_1 + (n-1)d で与えられる。
ここで、a1=29a_1 = -29d=3d = 3 なので、an=29+(n1)3=3n32a_n = -29 + (n-1)3 = 3n - 32 である。
SnS_n が最小になるのは、ana_n が負から正に変わる直前の nn である。
an<0a_n < 0 となる nn を求める。
3n32<03n - 32 < 0 より、3n<323n < 32 なので、n<323=10.66...n < \frac{32}{3} = 10.66... となる。
したがって、a10=3(10)32=2<0a_{10} = 3(10) - 32 = -2 < 0 であり、a11=3(11)32=1>0a_{11} = 3(11) - 32 = 1 > 0 である。
SnS_nana_n が負の値を足し続ける限り減少するので、a10a_{10} まで足し合わせることで最小となる。
よって、SnS_n が最小となる nn の値は 1010 である。
(2) SnS_n が正の数となる最小の nn の値を求める。
等差数列の和の公式は、Sn=n2(2a1+(n1)d)S_n = \frac{n}{2} (2a_1 + (n-1)d) で与えられる。
Sn=n2(2(29)+(n1)3)=n2(58+3n3)=n2(3n61)S_n = \frac{n}{2} (2(-29) + (n-1)3) = \frac{n}{2} (-58 + 3n - 3) = \frac{n}{2} (3n - 61)
Sn>0S_n > 0 となる nn を求める。
n2(3n61)>0\frac{n}{2} (3n - 61) > 0
n>0n > 0 であるから、3n61>03n - 61 > 0 であればよい。
3n>613n > 61 より、n>613=20.33...n > \frac{61}{3} = 20.33...
したがって、n=21n = 21 のとき、S21=212(3(21)61)=212(6361)=212(2)=21>0S_{21} = \frac{21}{2} (3(21) - 61) = \frac{21}{2} (63 - 61) = \frac{21}{2} (2) = 21 > 0 である。
n=20n = 20 のとき、S20=202(3(20)61)=10(6061)=10(1)=10<0S_{20} = \frac{20}{2} (3(20) - 61) = 10 (60 - 61) = 10(-1) = -10 < 0 である。
よって、SnS_n が正の数となる最小の nn の値は 2121 である。

3. 最終的な答え

(1) SnS_n が最小となる nn の値は 1010
(2) SnS_n が正の数となる最小の nn の値は 2121

「代数学」の関連問題

因数分解の公式 $x^3 + y^3 = (x+y)(x^2 - xy + y^2)$ を利用して、$\sin \theta + \cos \theta = \frac{1}{4}$ ($0^\cir...

三角関数因数分解三角関数の恒等式
2025/6/3

$a, b, c$ は実数とする。次の3つの条件の中から、$a=b$ と同値な条件を全て選ぶ問題である。 1. $a+c=b+c$

同値性実数方程式代数
2025/6/3

4点O(0), A(3+2i), B(6-i), C(x+6i)について、以下の問いに答えます。 (1) 3点O, A, Cが一直線上にあるように、実数xの値を定めよ。 (2) 2直線AB, ACが垂...

複素数ベクトル幾何平面
2025/6/3

因数分解の公式 $x^3 - y^3 = (x-y)(x^2 + xy + y^2)$ を利用して、$\sin \theta + \cos \theta = \frac{2}{3}$ ($0^\cir...

三角関数因数分解三角関数の恒等式方程式解の公式
2025/6/3

$x = \frac{1}{\sqrt{2}+1}$、 $y = \frac{1}{\sqrt{2}-1}$ のとき、以下の式の値を求めます。 (1) $x^2 + y^2$ (2) $x^3 + y...

式の計算有理化展開因数分解
2025/6/3

与えられた式を因数分解する問題です。 (1) $(x+y)^2 - (x+y) - 12$ (3) $(x-1)(x-2)(x+3)(x+4) - 24$

因数分解多項式二次式
2025/6/3

現在、子供は12歳、父親は46歳です。父親の年齢が子供の年齢の3倍になるのは何年後かを求める問題です。

一次方程式文章問題年齢算
2025/6/3

複素数 $z$ に関する次の方程式を満たす点全体の集合がどのような図形になるかを答える問題です。 (1) $|z + 2i| = 2$ (2) $|z + 1| = 2|z - i|$

複素数複素平面絶対値
2025/6/3

1100円を兄と弟で分けたとき、兄がもらった金額は弟がもらった金額の2倍より100円少なかった。兄がもらった金額を求める問題です。

連立方程式文章問題方程式
2025/6/3

画像に書かれた2つの複素数方程式を解く問題です。 (1) $z^6 = 1$ (2) $z^3 = -8i$

複素数複素数平面ド・モアブルの定理方程式
2025/6/3