与えられた行列式を Dn とします。Dnを計算するために、行列式を第1行について展開します。 Dn=(1+x2)Dn−1−x⋅(−x)Dn−2 Dn=(1+x2)Dn−1+x2Dn−2 ここで、D1とD2を計算します。 D1=1+x2 D2=(1+x2)2−x(−x)=(1+x2)2+x2=1+2x2+x4+x2=1+3x2+x4 与えられた解は 1+x2+x4+⋯+x2n なので、n=1のとき、1+x2となり、正しいです。 n=2のとき、1+x2+x4となるはずですが、D2=1+3x2+x4となっているため、再帰式の展開の方法が間違っているか、行列式が違っている可能性があります。 行列式の定義に従って計算します。
n=1の場合、∣1+x2∣=1+x2 n=2の場合、1+x2xx1+x2=(1+x2)2−x2=1+2x2+x4−x2=1+x2+x4 n=3の場合、1+x2x0x1+x2x0x1+x2=(1+x2)((1+x2)2−x2)−x(x(1+x2))=(1+x2)(1+x2+x4)−x2(1+x2)=1+x2+x4+x2+x4+x6−x2−x4=1+x2+x4+x6 よって、Dn=1+x2+x4+⋯+x2n と推測できます。 帰納法で証明します。
n=1,2,3 のとき正しいことを示しました。 n=k のとき Dk=1+x2+x4+⋯+x2kが正しいと仮定します。 n=k+1のとき、Dk+1=(1+x2)Dk−x(−x)Dk−1=(1+x2)Dk+x2Dk−1 Dk+1=(1+x2)(1+x2+⋯+x2k)+x2(1+x2+⋯+x2(k−1))=1+x2+⋯+x2k+x2+x4+⋯+x2k+2+x2+x4+⋯+x2k=1+2x2+2x4+⋯+2x2k+x2k+2 上記の式は正しくないため、初期の再帰式の展開が間違っていました。
正しくは、第1行で展開する代わりに、第1列で展開します。すると、
Dn=(1+x2)Dn−1−x⋅xDn−2=(1+x2)Dn−1−x2Dn−2 この再帰式とD1,D2を用いると、 D3=(1+x2)(1+x2+x4)−x2(1+x2)=1+x2+x4+x2+x4+x6−x2−x4=1+x2+x4+x6 したがって、解は推測通り 1+x2+x4+⋯+x2n です。