1個のサイコロを投げたとき、出た目の数を $a$ とし、$X = |a - 3|$ とする。このとき、確率変数 $X$ の分散と標準偏差を求める問題です。

確率論・統計学確率変数分散標準偏差期待値確率分布
2025/6/2

1. 問題の内容

1個のサイコロを投げたとき、出た目の数を aa とし、X=a3X = |a - 3| とする。このとき、確率変数 XX の分散と標準偏差を求める問題です。

2. 解き方の手順

まず、XX の取りうる値とその確率を求めます。
aa は 1 から 6 までの整数なので、XX の取りうる値は次のようになります。
* a=1a = 1 のとき、X=13=2X = |1 - 3| = 2
* a=2a = 2 のとき、X=23=1X = |2 - 3| = 1
* a=3a = 3 のとき、X=33=0X = |3 - 3| = 0
* a=4a = 4 のとき、X=43=1X = |4 - 3| = 1
* a=5a = 5 のとき、X=53=2X = |5 - 3| = 2
* a=6a = 6 のとき、X=63=3X = |6 - 3| = 3
それぞれの値を取る確率は、サイコロの目が同様に確からしいので、すべて 1/61/6 です。
したがって、XX の確率分布は次のようになります。
* P(X=0)=1/6P(X = 0) = 1/6
* P(X=1)=2/6=1/3P(X = 1) = 2/6 = 1/3
* P(X=2)=2/6=1/3P(X = 2) = 2/6 = 1/3
* P(X=3)=1/6P(X = 3) = 1/6
次に、XX の期待値 E(X)E(X) を求めます。
E(X)=016+113+213+316=0+13+23+12=1+12=32E(X) = 0 \cdot \frac{1}{6} + 1 \cdot \frac{1}{3} + 2 \cdot \frac{1}{3} + 3 \cdot \frac{1}{6} = 0 + \frac{1}{3} + \frac{2}{3} + \frac{1}{2} = 1 + \frac{1}{2} = \frac{3}{2}
次に、X2X^2 の期待値 E(X2)E(X^2) を求めます。
E(X2)=0216+1213+2213+3216=0+13+43+96=53+32=106+96=196E(X^2) = 0^2 \cdot \frac{1}{6} + 1^2 \cdot \frac{1}{3} + 2^2 \cdot \frac{1}{3} + 3^2 \cdot \frac{1}{6} = 0 + \frac{1}{3} + \frac{4}{3} + \frac{9}{6} = \frac{5}{3} + \frac{3}{2} = \frac{10}{6} + \frac{9}{6} = \frac{19}{6}
分散 V(X)V(X) は、V(X)=E(X2)(E(X))2V(X) = E(X^2) - (E(X))^2 で求められます。
V(X)=196(32)2=19694=38122712=1112V(X) = \frac{19}{6} - \left(\frac{3}{2}\right)^2 = \frac{19}{6} - \frac{9}{4} = \frac{38}{12} - \frac{27}{12} = \frac{11}{12}
標準偏差 σ(X)\sigma(X) は、分散の平方根で求められます。
σ(X)=V(X)=1112=1112=1123=336\sigma(X) = \sqrt{V(X)} = \sqrt{\frac{11}{12}} = \frac{\sqrt{11}}{\sqrt{12}} = \frac{\sqrt{11}}{2\sqrt{3}} = \frac{\sqrt{33}}{6}

3. 最終的な答え

分散は 1112\frac{11}{12} であり、標準偏差は 336\frac{\sqrt{33}}{6} である。

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