(1) $x, y$ は実数とする。命題「$x-y, xy$ の少なくとも一方が無理数ならば、$x, y$ の少なくとも一方は無理数である」の逆と裏を述べ、それらの真偽を調べる。 (2) $n$ は整数とする。命題「$3n$ が偶数ならば、$n$ は偶数である」を対偶を用いて証明する。
2025/6/2
1. 問題の内容
(1) は実数とする。命題「 の少なくとも一方が無理数ならば、 の少なくとも一方は無理数である」の逆と裏を述べ、それらの真偽を調べる。
(2) は整数とする。命題「 が偶数ならば、 は偶数である」を対偶を用いて証明する。
2. 解き方の手順
(1)
元の命題を とする。ここで、
: の少なくとも一方が無理数
: の少なくとも一方は無理数
逆は なので、「 の少なくとも一方が無理数ならば、 の少なくとも一方が無理数である」
裏は なので、「 がともに有理数ならば、 はともに有理数である」
(a) 逆の真偽
のとき、 は無理数、 は有理数なので、 の少なくとも一方は無理数である。しかし、 は無理数、 も無理数なので、 の少なくとも一方は無理数である。
のとき、 は無理数、 は無理数なので、 の少なくとも一方は無理数である。しかし、 は無理数、 は有理数なので、 の少なくとも一方は無理数である。
逆は真である。
(b) 裏の真偽
がともに有理数であるとき、 がともに有理数であるかどうかを調べる。
例えば、 のとき、 となり、 はともに有理数である。
また、 のとき、 または となり、 はともに有理数である。
( は有理数) のとき、 なので、 より となる。
となる。 が有理数の平方であれば、 は有理数となり、 も有理数となる。
例えば、 のとき、 は無理数、 は有理数である。
裏は偽である。
反例として、 が挙げられる。このとき、 となり、 がともに有理数とはならない。
(2)
が偶数ならば、 は偶数であることを対偶を使って証明する。
対偶は「 が奇数ならば、 は奇数である」
が奇数であるとき、 ( は整数) と表せる。
このとき、 となる。
は整数なので、 は奇数である。
したがって、「 が奇数ならば、 は奇数である」は真である。
対偶が真なので、元の命題「 が偶数ならば、 は偶数である」も真である。
3. 最終的な答え
(1)
逆: の少なくとも一方が無理数ならば、 の少なくとも一方が無理数である。(真)
裏: がともに有理数ならば、 はともに有理数である。(偽)
(反例:)
(2)
が偶数ならば、 は偶数である。(真)
(証明は上記参照)