質量 $m_2$ の質点が静止している質量 $m_1$ の質点に散乱角 $\theta$ で散乱した。重心系で観測すると散乱角は $\phi$ である。 $\tan \theta = \frac{\sin \phi}{\cos \phi + k}$ の関係があり、$k = \frac{m_2}{m_1}$ である。 $k > 1$ のとき、$\theta$ に上限値 $\theta_m$ があり、$\sin \theta_m = \frac{1}{k} = \frac{m_1}{m_2}$ であることを以下の手順に従って示す。 (1) $\theta$ は $\phi$ の関数であると考え、$\frac{d\theta}{d\phi}$ を求める。 (2) $\frac{d\theta}{d\phi} = 0$ となるときの $\phi$ を求める。また、$\frac{d^2\theta}{d\phi^2} < 0$ を示す。ここで $0 \leq \phi \leq \pi$ である。 (3) このときの $\sin \theta$ を求める。
2025/6/2
1. 問題の内容
質量 の質点が静止している質量 の質点に散乱角 で散乱した。重心系で観測すると散乱角は である。
の関係があり、 である。
のとき、 に上限値 があり、 であることを以下の手順に従って示す。
(1) は の関数であると考え、 を求める。
(2) となるときの を求める。また、 を示す。ここで である。
(3) このときの を求める。
2. 解き方の手順
(1) より、両辺を で微分する。
よって、
ここで、
したがって、
(2) となるとき、 より、
このとき、 ( より )
のとき、
であり であるから、 である。
(3) のとき、
したがって、 ( は の範囲にあることが予想されるため正の値をとる)
3. 最終的な答え
(1)
(2) ,
(3)