ばね定数 $k$ の軽いつる巻きばねの一端を壁に固定し、他端に質量 $m$ の物体 A を取り付けて、なめらかな水平面上に置く。質量 $m$ の物体 B を A に接触させて置き、B を押して、ばねを自然の長さから $l$ だけ縮めて離す。ばねが自然の長さになったところで B が A から離れる。このとき、以下の問いに答える。 (1) A から離れたときの B の速さを求めよ。 (2) ばねの伸びの最大値を求めよ。

応用数学力学エネルギー保存単振動ばね
2025/6/18

1. 問題の内容

ばね定数 kk の軽いつる巻きばねの一端を壁に固定し、他端に質量 mm の物体 A を取り付けて、なめらかな水平面上に置く。質量 mm の物体 B を A に接触させて置き、B を押して、ばねを自然の長さから ll だけ縮めて離す。ばねが自然の長さになったところで B が A から離れる。このとき、以下の問いに答える。
(1) A から離れたときの B の速さを求めよ。
(2) ばねの伸びの最大値を求めよ。

2. 解き方の手順

(1)
まず、B が A から離れる瞬間について考える。B が A から離れるのは、ばねが自然長に戻った瞬間である。このとき、ばねの弾性エネルギーは全て運動エネルギーに変換される。この運動エネルギーは A と B の運動エネルギーの和となる。A と B は接触しているので、速度は等しい。
エネルギー保存則より、
12kl2=12(m+m)v2\frac{1}{2}kl^2 = \frac{1}{2}(m+m)v^2
v2=kl22mv^2 = \frac{kl^2}{2m}
v=k2mlv = \sqrt{\frac{k}{2m}}l
(2)
B が A から離れた後、A は単振動を行う。
単振動の中心はばねの自然長の位置であり、B が A から離れた位置が単振動の中心となる。
エネルギー保存則より、ばねの伸びが最大になったときを xx とすると
12mv2=12kx2\frac{1}{2}mv^2 = \frac{1}{2}kx^2
12m(k2ml)2=12kx2\frac{1}{2}m(\sqrt{\frac{k}{2m}}l)^2 = \frac{1}{2}kx^2
12mk2ml2=12kx2\frac{1}{2}m \frac{k}{2m} l^2 = \frac{1}{2}kx^2
x2=l22x^2 = \frac{l^2}{2}
x=l2=22lx = \frac{l}{\sqrt{2}} = \frac{\sqrt{2}}{2} l

3. 最終的な答え

(1) A から離れたときの B の速さ: v=k2mlv = \sqrt{\frac{k}{2m}}l
(2) ばねの伸びの最大値:22l\frac{\sqrt{2}}{2} l

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