任意の奇素数 $p$ に対して、以下の条件を満たすアーベル多様体 $A$ が存在するかを問う問題です。 * $A$ は $\mathbb{Q}$ 上定義されている。 * $A$ の次元 $g$ は任意(有限)でよい。 * $\mathrm{End}_{\mathbb{Q}}(A) \cong \mathbb{Z}$. * $\# A(\mathbb{F}_p) = p+1$.

数論数論幾何アーベル多様体楕円曲線有限体L関数自己準同型環虚数乗法
2025/6/2

1. 問題の内容

任意の奇素数 pp に対して、以下の条件を満たすアーベル多様体 AA が存在するかを問う問題です。
* AAQ\mathbb{Q} 上定義されている。
* AA の次元 gg は任意(有限)でよい。
* EndQ(A)Z\mathrm{End}_{\mathbb{Q}}(A) \cong \mathbb{Z}.
* #A(Fp)=p+1\# A(\mathbb{F}_p) = p+1.

2. 解き方の手順

この問題は、任意の奇素数 pp に対して、指定された条件を満たすアーベル多様体が存在するかどうかを問うものです。これは、数論幾何における存在問題であり、一般に難しい問題です。
まず、AAQ\mathbb{Q} 上定義されたアーベル多様体で、EndQ(A)Z\mathrm{End}_{\mathbb{Q}}(A) \cong \mathbb{Z} であるという条件は、AA の自己準同型環が整数環と同型であることを意味します。これは、AA が虚数乗法を持たないことを示唆しています。
次に、#A(Fp)=p+1\# A(\mathbb{F}_p) = p+1 という条件は、AAFp\mathbb{F}_p 上の点の数が p+1p+1 であることを意味します。これは、AA の L 関数に関連します。特に、AA が楕円曲線の場合、ap=p+1#A(Fp)a_p = p+1 - \# A(\mathbb{F}_p) と定義されるので、この場合 ap=0a_p = 0 となります。
もし AA が楕円曲線であるならば、問題は ap=0a_p = 0 となる楕円曲線が存在するか、という問いになります。これは実は存在することが知られています。例えば、楕円曲線 y2=x3+1y^2 = x^3 + 1p2(mod3)p \equiv 2 \pmod{3} であるような素数 pp に対して ap=0a_p = 0 を満たします。
一般のアーベル多様体の場合も同様の議論ができると考えられますが、証明はより複雑になります。

3. 最終的な答え

はい、そのようなアーベル多様体は存在します。例えば、楕円曲線 y2=x3+1y^2 = x^3 + 1 は条件を満たすアーベル多様体の一例です。より一般に、任意の奇素数 pp に対して条件を満たすアーベル多様体が存在すると考えられます。

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