長さ $l$ の弦が張力 $S$ で張られている。弦の一端から $x$ の位置に質量 $m$ のおもりをつけて、水平面内で糸に垂直な方向に微小振動させたときの周期を $x$ の関数として求める。ただし、$\theta_1, \theta_2$ は小さいので、$\theta_1 \approx \frac{y}{x}$, $\theta_2 \approx \frac{y}{l-x}$ であり、微小振動の場合は $S$ を一定としてよい。

応用数学力学振動微分方程式単振動物理
2025/6/3

1. 問題の内容

長さ ll の弦が張力 SS で張られている。弦の一端から xx の位置に質量 mm のおもりをつけて、水平面内で糸に垂直な方向に微小振動させたときの周期を xx の関数として求める。ただし、θ1,θ2\theta_1, \theta_2 は小さいので、θ1yx\theta_1 \approx \frac{y}{x}, θ2ylx\theta_2 \approx \frac{y}{l-x} であり、微小振動の場合は SS を一定としてよい。

2. 解き方の手順

おもりに働く力のつり合いを考える。おもりには、弦の張力 SS が2つ働いている。これらの張力の鉛直方向成分の和が、おもりの運動方程式に寄与する。水平方向は相殺される。
張力 SS の鉛直方向成分は、それぞれ Ssinθ1S\sin\theta_1Ssinθ2S\sin\theta_2 である。
θ1,θ2\theta_1, \theta_2 が小さいので、sinθ1θ1=yx\sin\theta_1 \approx \theta_1 = \frac{y}{x}sinθ2θ2=ylx\sin\theta_2 \approx \theta_2 = \frac{y}{l-x} と近似できる。したがって、おもりに働く鉛直方向の力の合計 FF は、
F=Ssinθ1Ssinθ2SyxSylx=Sy(1x+1lx)=Sy(lx+xx(lx))=Sylx(lx)F = -S\sin\theta_1 - S\sin\theta_2 \approx -S\frac{y}{x} - S\frac{y}{l-x} = -Sy\left(\frac{1}{x} + \frac{1}{l-x}\right) = -Sy\left(\frac{l-x+x}{x(l-x)}\right) = -Sy\frac{l}{x(l-x)}
おもりの運動方程式は、
md2ydt2=F=Sylx(lx)m\frac{d^2y}{dt^2} = F = -Sy\frac{l}{x(l-x)}
d2ydt2=Slmx(lx)y\frac{d^2y}{dt^2} = -\frac{Sl}{mx(l-x)}y
これは単振動の微分方程式であり、角振動数 ω\omega は、
ω2=Slmx(lx)\omega^2 = \frac{Sl}{mx(l-x)}
ω=Slmx(lx)\omega = \sqrt{\frac{Sl}{mx(l-x)}}
周期 TT は、
T=2πω=2πmx(lx)SlT = \frac{2\pi}{\omega} = 2\pi\sqrt{\frac{mx(l-x)}{Sl}}

3. 最終的な答え

T=2πmx(lx)SlT = 2\pi\sqrt{\frac{mx(l-x)}{Sl}}

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