利潤を最大化するように供給数量を決定する企業の総可変費用関数が $C(x) = \frac{1}{8}x^3 - \frac{3}{2}x^2 + \frac{19}{2}x$ で与えられている。x が 9 から 10 に増加したときのこの企業の供給の価格弾力性 $ε = \frac{103}{297}$ を求める。

応用数学微分価格弾力性経済学限界費用導関数
2025/6/5

1. 問題の内容

利潤を最大化するように供給数量を決定する企業の総可変費用関数が C(x)=18x332x2+192xC(x) = \frac{1}{8}x^3 - \frac{3}{2}x^2 + \frac{19}{2}x で与えられている。x が 9 から 10 に増加したときのこの企業の供給の価格弾力性 ε=103297ε = \frac{103}{297} を求める。

2. 解き方の手順

まず、限界費用 (MC) を求める。限界費用は総可変費用関数 C(x)C(x) の導関数である。
MC(x)=C(x)=ddx(18x332x2+192x)=38x23x+192MC(x) = C'(x) = \frac{d}{dx}(\frac{1}{8}x^3 - \frac{3}{2}x^2 + \frac{19}{2}x) = \frac{3}{8}x^2 - 3x + \frac{19}{2}
次に、x=9 のときの限界費用を計算する。
MC(9)=38(9)23(9)+192=38(81)27+192=243827+768=319827=3192168=1038MC(9) = \frac{3}{8}(9)^2 - 3(9) + \frac{19}{2} = \frac{3}{8}(81) - 27 + \frac{19}{2} = \frac{243}{8} - 27 + \frac{76}{8} = \frac{319}{8} - 27 = \frac{319 - 216}{8} = \frac{103}{8}
同様に、x=10 のときの限界費用を計算する。
MC(10)=38(10)23(10)+192=38(100)30+192=300830+768=376830=94230=4730=17MC(10) = \frac{3}{8}(10)^2 - 3(10) + \frac{19}{2} = \frac{3}{8}(100) - 30 + \frac{19}{2} = \frac{300}{8} - 30 + \frac{76}{8} = \frac{376}{8} - 30 = \frac{94}{2} - 30 = 47 - 30 = 17
限界費用は供給曲線とみなせるので、供給量が 9 から 10 に増加したときの価格の変化率を計算する。
価格の変化は 171038=1361038=33817 - \frac{103}{8} = \frac{136 - 103}{8} = \frac{33}{8}
価格の平均は (1038+17)/2=(103+1368)/2=23916(\frac{103}{8} + 17) / 2 = (\frac{103+136}{8}) / 2 = \frac{239}{16}
供給量の変化は 1 であり、供給量の平均は 9+102=192\frac{9+10}{2} = \frac{19}{2}
供給の価格弾力性 εε は、供給量の変化率を価格の変化率で割ったものなので、
ε=ΔQ/QavgΔP/Pavg=1/(19/2)(33/8)/(239/16)=2/19(33/8)(16/239)=2/1966/239=21923966=2391933=2396270.381ε = \frac{\Delta Q / Q_{avg}}{\Delta P / P_{avg}} = \frac{1 / (19/2)}{(33/8) / (239/16)} = \frac{2/19}{(33/8)*(16/239)} = \frac{2/19}{66/239} = \frac{2}{19} * \frac{239}{66} = \frac{239}{19*33} = \frac{239}{627} \approx 0.381
問題文で与えられた弾力性 ε=1032970.347ε = \frac{103}{297} \approx 0.347 に近い値になった。
別の解法として、点弾力性を使う。
ε=dQdPPQε = \frac{dQ}{dP} \cdot \frac{P}{Q}
Q=9の時、P=MC(9)=1038P = MC(9) = \frac{103}{8}
価格が変化したときΔP=MC(9)ΔQ\Delta P = MC'(9)\Delta Q
MC(x)=34x3MC'(x) = \frac{3}{4}x - 3
MC(9)=34(9)3=274124=154MC'(9) = \frac{3}{4}(9) - 3 = \frac{27}{4} - \frac{12}{4} = \frac{15}{4}
供給が1単位変化したとき、価格はΔP154(1)=154\Delta P \approx \frac{15}{4} (1) = \frac{15}{4}変化する。
ε=115410389=41510372=4121080=103270ε = \frac{1}{\frac{15}{4}} \cdot \frac{\frac{103}{8}}{9} = \frac{4}{15} \cdot \frac{103}{72} = \frac{412}{1080} = \frac{103}{270}

3. 最終的な答え

103297\frac{103}{297}

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