実数 $a$ を定数とする方程式 $\frac{a}{e^x} - 2x = 0$ の異なる実数解の個数を調べる問題です。ただし、$\lim_{x \to \infty} \frac{x}{e^x} = 0$ であることは既知としてよいとのことです。

解析学指数関数微分増減極値方程式実数解
2025/6/3

1. 問題の内容

実数 aa を定数とする方程式 aex2x=0\frac{a}{e^x} - 2x = 0 の異なる実数解の個数を調べる問題です。ただし、limxxex=0\lim_{x \to \infty} \frac{x}{e^x} = 0 であることは既知としてよいとのことです。

2. 解き方の手順

まず、与えられた方程式を変形します。
aex2x=0\frac{a}{e^x} - 2x = 0
aex=2x\frac{a}{e^x} = 2x
a=2xexa = 2xe^x
ここで、f(x)=2xexf(x) = 2xe^x とおきます。
この関数のグラフと y=ay=a のグラフの交点の個数が、方程式の実数解の個数に一致します。
f(x)f(x) の増減を調べます。
f(x)=2ex+2xex=2ex(1+x)f'(x) = 2e^x + 2xe^x = 2e^x(1+x)
f(x)=0f'(x) = 0 となるのは、x=1x = -1 のときです。
x<1x < -1 のとき、f(x)<0f'(x) < 0 なので、f(x)f(x) は減少します。
x>1x > -1 のとき、f(x)>0f'(x) > 0 なので、f(x)f(x) は増加します。
したがって、f(x)f(x)x=1x = -1 で極小値をとり、その値は f(1)=2(1)e1=2ef(-1) = 2(-1)e^{-1} = -\frac{2}{e} です。
次に、極限を調べます。
limx2xex=\lim_{x \to \infty} 2xe^x = \infty
limx2xex=0\lim_{x \to -\infty} 2xe^x = 0limxxex=0\lim_{x \to -\infty} \frac{x}{e^{-x}} = 0 より)
y=f(x)y = f(x) のグラフは、x=1x=-1 で極小値 2e-\frac{2}{e} をとり、xx \to \infty\infty に発散し、xx \to -\infty00 に近づきます。
したがって、y=ay = ay=f(x)y = f(x) のグラフの交点の個数は、以下のようになります。
- a<2ea < -\frac{2}{e} のとき、交点なし(解なし)
- a=2ea = -\frac{2}{e} のとき、交点1個(解1個)
- 2e<a<0-\frac{2}{e} < a < 0 のとき、交点2個(解2個)
- a=0a = 0 のとき、交点1個(解1個)
- a>0a > 0 のとき、交点1個(解1個)

3. 最終的な答え

実数解の個数は、
- a<2ea < -\frac{2}{e} のとき、0個
- a=2ea = -\frac{2}{e} のとき、1個
- 2e<a<0-\frac{2}{e} < a < 0 のとき、2個
- a0a \ge 0 のとき、1個

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