曲線 $C_1: y = x^3$ を $x$ 軸方向に $a$, $y$ 軸方向に $a$ だけ平行移動した曲線を $C_2$ とする。ただし、$a > 0$ とする。 (1) $C_1$ と $C_2$ が異なる2点で交わるような $a$ の値の範囲を求めよ。 (2) $a$ が (1) の範囲にあるとき、$C_1$ と $C_2$ で囲まれる部分の面積 $S$ を $a$ を用いて表せ。 (3) (2) の $S$ の最大値を求めよ。また、そのときの $a$ の値を求めよ。

解析学関数の平行移動交点面積積分最大値微分
2025/6/3

1. 問題の内容

曲線 C1:y=x3C_1: y = x^3xx 軸方向に aa, yy 軸方向に aa だけ平行移動した曲線を C2C_2 とする。ただし、a>0a > 0 とする。
(1) C1C_1C2C_2 が異なる2点で交わるような aa の値の範囲を求めよ。
(2) aa が (1) の範囲にあるとき、C1C_1C2C_2 で囲まれる部分の面積 SSaa を用いて表せ。
(3) (2) の SS の最大値を求めよ。また、そのときの aa の値を求めよ。

2. 解き方の手順

(1)
C2C_2 の方程式は ya=(xa)3y - a = (x-a)^3 なので、y=(xa)3+ay = (x-a)^3 + a である。
C1C_1C2C_2 の交点の xx 座標は、
x3=(xa)3+ax^3 = (x-a)^3 + a
x3=x33ax2+3a2xa3+ax^3 = x^3 - 3ax^2 + 3a^2x - a^3 + a
3ax23a2x+a3a=03ax^2 - 3a^2x + a^3 - a = 0
3x23ax+a21=03x^2 - 3ax + a^2 - 1 = 0 (a>0a>0 より aa で割って)
この2次方程式が異なる2つの実数解を持つ条件を考える。
判別式を DD とすると、
D=(3a)243(a21)=9a212a2+12=3a2+12>0D = (-3a)^2 - 4 \cdot 3 \cdot (a^2 - 1) = 9a^2 - 12a^2 + 12 = -3a^2 + 12 > 0
3a2<123a^2 < 12
a2<4a^2 < 4
2<a<2-2 < a < 2
a>0a > 0 より 0<a<20 < a < 2
また、判別式がゼロになるのは、a=2a=2のときである。このとき、x=3a23=1x=\frac{3a}{2\cdot 3}=1
このとき、x=1x=1なので、2つのグラフの交点は、x=1x=1のとき、y=1y=1となる。
他方、y=(x2)3+2y=(x-2)^3 + 2なので、x=1x=1を代入すると、y=(12)3+2=1+2=1y=(1-2)^3+2 = -1 + 2 = 1。したがって、確かに、a=2a=2のときには、x=1x=1の点で接している。
さらに、x=0x=0のときには、y=0y=0である。他方、y=(xa)3+ay = (x-a)^3 + aに代入すると、y=(a)3+a=a3+ay=(-a)^3+a = -a^3 + aとなる。これがゼロになるとき、a(a21)=0a(a^2-1) = 0。したがって、a=0,1,1a=0,1,-1となる。a>0a>0より、a=1a=1となる。
したがって、異なる2点で交わるための条件は、0<a<20<a<2
(2)
3x23ax+a21=03x^2 - 3ax + a^2 - 1 = 0 の2つの解を α\alpha, β\beta (α<β\alpha < \beta) とすると、
α+β=a\alpha + \beta = a
αβ=a213\alpha \beta = \frac{a^2 - 1}{3}
S=αβ{x3(xa)3a}dx=αβ(3ax23a2x+aa3)dxS = \int_\alpha^\beta \{x^3 - (x-a)^3 - a\} dx = \int_\alpha^\beta (3ax^2 - 3a^2x + a - a^3) dx
S=αβ3a(x2ax+a213a213+a24a24)dxS = \int_\alpha^\beta 3a(x^2 - ax + \frac{a^2-1}{3} - \frac{a^2-1}{3} + \frac{a^2}{4} - \frac{a^2}{4}) dx
S=aαβ{3x23ax+a21}dx=aαβ{3(xα)(xβ)}dxS = a\int_{\alpha}^{\beta} \{ 3x^2 - 3ax + a^2 - 1 \} dx = a\int_{\alpha}^{\beta} \{ 3(x-\alpha)(x-\beta) \} dx
S=3aαβ(xα)(xβ)dx=3a(16)(βα)3=a2(βα)3S = -3a\int_{\alpha}^{\beta} (x-\alpha)(x-\beta) dx = -3a \cdot (-\frac{1}{6})(\beta - \alpha)^3 = \frac{a}{2}(\beta - \alpha)^3
(βα)2=(α+β)24αβ=a24a213=3a24a2+43=4a23(\beta - \alpha)^2 = (\alpha + \beta)^2 - 4\alpha \beta = a^2 - 4\frac{a^2 - 1}{3} = \frac{3a^2 - 4a^2 + 4}{3} = \frac{4 - a^2}{3}
βα=4a23\beta - \alpha = \sqrt{\frac{4 - a^2}{3}}
S=a2(4a23)3/2=a(4a2)3/2233/2=a(4a2)3/2233=a(4a2)3/263S = \frac{a}{2} (\frac{4 - a^2}{3})^{3/2} = \frac{a(4 - a^2)^{3/2}}{2 \cdot 3^{3/2}} = \frac{a(4 - a^2)^{3/2}}{2 \cdot 3\sqrt{3}} = \frac{a(4 - a^2)^{3/2}}{6\sqrt{3}}
(3)
S=a63(4a2)3/2S = \frac{a}{6\sqrt{3}} (4 - a^2)^{3/2}
S2=a2108(4a2)3S^2 = \frac{a^2}{108} (4 - a^2)^3
t=a2t = a^2 とおくと、0<t<40 < t < 4
S2=t108(4t)3S^2 = \frac{t}{108} (4 - t)^3
d(S2)dt=1108[(4t)3+t3(4t)2(1)]=(4t)2108[4t3t]=(4t)2108(44t)=4(4t)2108(1t)=(4t)227(1t)\frac{d(S^2)}{dt} = \frac{1}{108} [(4 - t)^3 + t \cdot 3(4 - t)^2 (-1)] = \frac{(4-t)^2}{108} [4 - t - 3t] = \frac{(4-t)^2}{108} (4 - 4t) = \frac{4(4-t)^2}{108} (1 - t) = \frac{(4-t)^2}{27} (1 - t)
d(S2)dt=0\frac{d(S^2)}{dt} = 0 となるのは、t=1,4t = 1, 4
0<t<40 < t < 4 より、t=1t = 1 のとき最大となる。
t=1t = 1 より a2=1a^2 = 1, a=1a = 1 (a>0a > 0)
S=163(41)3/2=16333/2=3363=12S = \frac{1}{6\sqrt{3}} (4 - 1)^{3/2} = \frac{1}{6\sqrt{3}} 3^{3/2} = \frac{3\sqrt{3}}{6\sqrt{3}} = \frac{1}{2}

3. 最終的な答え

(1) 0<a<20 < a < 2
(2) S=a(4a2)3/263S = \frac{a(4-a^2)^{3/2}}{6\sqrt{3}}
(3) SS の最大値は 12\frac{1}{2}, そのときの aa の値は 11

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