10個の白球と20個の赤球が入った袋から、1個ずつ球を取り出す試行を繰り返します。取り出した球は元に戻しません。 (1) 5回取り出したとき、白球が2個、赤球が3個取り出されている確率を求めます。 (2) $4 \le n \le 24$ のとき、ちょうど $n$ 回目に4個目の白玉が取り出される確率 $p_n$ を求めます。 (3) $p_n$ が最大となる $n$ の値を求めます。 (4) 白球の方が早く袋からなくなる確率を求めます。

確率論・統計学確率組み合わせ期待値事象
2025/6/4
はい、承知いたしました。問題文を読み解き、順番に解答します。

1. 問題の内容

10個の白球と20個の赤球が入った袋から、1個ずつ球を取り出す試行を繰り返します。取り出した球は元に戻しません。
(1) 5回取り出したとき、白球が2個、赤球が3個取り出されている確率を求めます。
(2) 4n244 \le n \le 24 のとき、ちょうど nn 回目に4個目の白玉が取り出される確率 pnp_n を求めます。
(3) pnp_n が最大となる nn の値を求めます。
(4) 白球の方が早く袋からなくなる確率を求めます。

2. 解き方の手順

(1) 5回取り出して白球2個、赤球3個となる確率
5回のうち白球を取り出す2回を選ぶ組み合わせは 5C2_{5}C_{2} 通り。
1回目は30個の中から10個の白球を選ぶので確率は 1030\frac{10}{30}
2回目は29個の中から9個の白球を選ぶので確率は 929\frac{9}{29}
3回目は28個の中から20個の赤球を選ぶので確率は 2028\frac{20}{28}
4回目は27個の中から19個の赤球を選ぶので確率は 1927\frac{19}{27}
5回目は26個の中から18個の赤球を選ぶので確率は 1826\frac{18}{26}
したがって、確率は
_{5}C_{2} \times \frac{10}{30} \times \frac{9}{29} \times \frac{20}{28} \times \frac{19}{27} \times \frac{18}{26} = 10 \times \frac{10 \cdot 9 \cdot 20 \cdot 19 \cdot 18}{30 \cdot 29 \cdot 28 \cdot 27 \cdot 26} = \frac{10 \cdot 9 \cdot 20 \cdot 19 \cdot 18}{3 \cdot 29 \cdot 28 \cdot 27 \cdot 26} = \frac{950}{8517}
(2) nn 回目に4個目の白玉が出る確率 pnp_n
n1n-1 回までに白玉が3個、赤玉が n4n-4 個出ている必要があります。
n1n-1 回の試行で白玉3個、赤玉 n4n-4 個を取り出す確率は
_{n-1}C_{3} \frac{10 \cdot 9 \cdot 8 \cdot 20 \cdot 19 \cdot \cdots \cdot (20-(n-4)+1)}{30 \cdot 29 \cdot 28 \cdot \cdots \cdot (30-(n-1)+1)}
nn 回目に白玉を取り出す確率は 10330(n1)=731n\frac{10-3}{30-(n-1)} = \frac{7}{31-n}
したがって
p_n = \frac{_{n-1}C_{3} \cdot 10 \cdot 9 \cdot 8 \cdot 20 \cdot 19 \cdot \cdots \cdot (25-n)}{30 \cdot 29 \cdot 28 \cdot \cdots \cdot (32-n)} \times \frac{7}{31-n}
少し整理します。まず、分母分子に (33)!(n4)!(3-3)! \cdot (n-4)!をかけます。
p_n = \frac{\frac{(n-1)!}{3!(n-4)!} \cdot \frac{10!}{(10-3)!} \frac{20!}{(20-(n-4))!}}{\frac{30!}{(30-n+1)!}} \times \frac{7}{31-n} = \frac{\frac{(n-1)!}{6(n-4)!} \cdot \frac{10!}{7!} \frac{20!}{(24-n)!}}{\frac{30!}{(31-n)!}} \times \frac{7}{31-n} = \frac{(n-1)! 10! 20! (31-n)! 7}{6(n-4)! 7! (24-n)! 30! (31-n)}
p_n = \frac{ (n-1)! 10 \cdot 9 \cdot 8 \cdot 20! (31-n)! }{6 (n-4)! 20! 30!} \times \frac{7}{31-n} = \frac{(n-1)(n-2)(n-3) 10 \cdot 9 \cdot 8 \cdot 7}{6 \cdot 30!} \times \frac{20!}{(24-n)! }
p_n = \frac{(n-1)(n-2)(n-3)}{6} \times \frac{7 \cdot 10 \cdot 9 \cdot 8}{ \frac{30!}{10!20!} (31-n) }
p_n = \frac{84(n-1)(n-2)(n-3)(31-n)}{(30 \cdot 29 \cdot 28 \cdot \cdots \cdot 21)}
(3) pnp_n が最大となる nn の値
pn+1pn\frac{p_{n+1}}{p_n} を考えます。
\frac{p_{n+1}}{p_n} = \frac{\frac{(n)(n-1)(n-2) \cdot 7}{31-(n+1)}}{\frac{(n-1)(n-2)(n-3) \cdot 7}{31-n}} = \frac{n(31-n)}{(n-3)(30-n)}
pn+1pn>1\frac{p_{n+1}}{p_n} > 1 となる nn を求める。
n(31n)>(n3)(30n)n(31-n) > (n-3)(30-n)
31nn2>30nn290+3n31n-n^2 > 30n - n^2 - 90 + 3n
31n>33n9031n > 33n - 90
90>2n90 > 2n
n<45n < 45
pn+1pn>1\frac{p_{n+1}}{p_n} > 1 となる nn は、n<45n<45 となります。4n244 \le n \le 24より、 pn+1pn>1\frac{p_{n+1}}{p_n} > 1 となる最大の nn を求めます。
nnが大きくなるほどpnp_nが大きくなるので、最大となるnnn=12n=12になります。
(4) 白球の方が早くなくなる確率
白球がなくなるのは、10個すべて取り出されたときです。
つまり、30個の球を取り出すとき、最後の球が白球である確率を求めればよい。
白球が10個、赤球が20個なので、最後に白球である確率は 1030=13\frac{10}{30} = \frac{1}{3}

3. 最終的な答え

(1) 9508517\frac{950}{8517}
(2) pn=84(n1)(n2)(n3)(31n)(30292821)p_n = \frac{84(n-1)(n-2)(n-3)(31-n)}{(30 \cdot 29 \cdot 28 \cdot \cdots \cdot 21)}
(3) n=12n = 12
(4) 13\frac{1}{3}

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