x軸上を運動する物体の加速度が与えられており、以下の問いに答える。 (1) 時刻0s~3T[s]のv-tグラフを描け。 (2) 時刻0s~3T[s]の平均の速度を求めよ。 (3) 時刻0s~3T[s]の平均の加速度を求めよ。 (4) この物体が、原点から正の向きに最も遠ざかる時刻を求めよ。 (5) この物体が、原点に戻る時刻を求めよ。 ただし、時刻0sでの物体の位置は原点、速度は0とする。時刻3T[s]以降の加速度は-2a[m/s^2]である。

応用数学運動加速度速度変位v-tグラフ
2025/6/4
## 解答

1. 問題の内容

x軸上を運動する物体の加速度が与えられており、以下の問いに答える。
(1) 時刻0s~3T[s]のv-tグラフを描け。
(2) 時刻0s~3T[s]の平均の速度を求めよ。
(3) 時刻0s~3T[s]の平均の加速度を求めよ。
(4) この物体が、原点から正の向きに最も遠ざかる時刻を求めよ。
(5) この物体が、原点に戻る時刻を求めよ。
ただし、時刻0sでの物体の位置は原点、速度は0とする。時刻3T[s]以降の加速度は-2a[m/s^2]である。

2. 解き方の手順

(1) v-tグラフの描画
* 時刻0からTまで: 加速度はaなので、速度は等加速度運動で増加する。v=atv = atより、時刻Tでの速度はvT=aTv_T = aTとなる。
* 時刻Tから3Tまで: 加速度は0なので、速度は一定。したがって、速度はvT=aTv_T = aTのままとなる。
したがって、v-tグラフは、0からTまで傾きaの直線、Tから3Tまでv=aTv=aTの水平な直線となる。
(2) 平均の速度の計算
平均の速度は、変位を時間で割ったものである。
* 時刻0からTまでの変位は、v-tグラフの面積から求められる。x1=12aTT=12aT2x_1 = \frac{1}{2} aT \cdot T = \frac{1}{2} aT^2
* 時刻Tから3Tまでの変位は、x2=aT(3TT)=2aT2x_2 = aT \cdot (3T - T) = 2aT^2
* 時刻0から3Tまでの変位は、x=x1+x2=12aT2+2aT2=52aT2x = x_1 + x_2 = \frac{1}{2} aT^2 + 2aT^2 = \frac{5}{2} aT^2
平均の速度は、 vˉ=x3T=52aT23T=56aT\bar{v} = \frac{x}{3T} = \frac{\frac{5}{2} aT^2}{3T} = \frac{5}{6} aT
(3) 平均の加速度の計算
平均の加速度は、速度の変化を時間で割ったものである。
* 時刻0での速度は0。
* 時刻3Tでの速度はaT。
平均の加速度は、aˉ=aT03T=13a\bar{a} = \frac{aT - 0}{3T} = \frac{1}{3} a
(4) 原点から最も遠ざかる時刻の計算
時刻3T以降、加速度が-2aとなる。
このとき、速度が0になる瞬間が、最も遠ざかる時刻である。
時刻3Tでの速度はaTaT
時刻3T以降、v=aT2a(t3T)v = aT - 2a(t-3T)
v=0v = 0となる時刻を求める。
0=aT2a(t3T)0 = aT - 2a(t-3T)
2a(t3T)=aT2a(t-3T) = aT
2(t3T)=T2(t-3T) = T
2t6T=T2t - 6T = T
2t=7T2t = 7T
t=72Tt = \frac{7}{2} T
(5) 原点に戻る時刻の計算
(4)で求めた時刻以降、物体は負の方向に運動し始める。
時刻72T\frac{7}{2}Tでの位置は、時刻0から72T\frac{7}{2}Tまでの変位を計算することで求める。
時刻0から3Tまでの変位は52aT2\frac{5}{2}aT^2。((2)で計算済み)
時刻3Tから72T\frac{7}{2}Tまでの変位は、
x3=aT(72T3T)+12(2a)(72T3T)2=aT(12T)a(12T)2=12aT214aT2=14aT2x_3 = aT(\frac{7}{2}T-3T) + \frac{1}{2}(-2a)(\frac{7}{2}T-3T)^2 = aT(\frac{1}{2}T) - a(\frac{1}{2}T)^2 = \frac{1}{2}aT^2 - \frac{1}{4}aT^2 = \frac{1}{4}aT^2
したがって、時刻72T\frac{7}{2}Tでの位置は、52aT2+14aT2=114aT2\frac{5}{2}aT^2 + \frac{1}{4}aT^2 = \frac{11}{4}aT^2
時刻72T\frac{7}{2}T以降、位置はx=114aT2+0(t72T)+12(2a)(t72T)2x = \frac{11}{4}aT^2 + 0 \cdot (t - \frac{7}{2}T) + \frac{1}{2}(-2a)(t - \frac{7}{2}T)^2
原点に戻る時刻を求める。x=0x = 0とすると
0=114aT2a(t72T)20 = \frac{11}{4}aT^2 - a(t - \frac{7}{2}T)^2
(t72T)2=114T2(t - \frac{7}{2}T)^2 = \frac{11}{4}T^2
t72T=±112Tt - \frac{7}{2}T = \pm \frac{\sqrt{11}}{2}T
t=7±112Tt = \frac{7 \pm \sqrt{11}}{2}T
t>72Tt>\frac{7}{2}Tである必要があるので、t=7+112Tt = \frac{7 + \sqrt{11}}{2}T

3. 最終的な答え

(1) v-tグラフ: 時刻0からTまで傾きaの直線、Tから3Tまでv=aTv=aTの水平な直線。
(2) 平均の速度: 56aT\frac{5}{6} aT
(3) 平均の加速度: 13a\frac{1}{3} a
(4) 原点から最も遠ざかる時刻: 72T\frac{7}{2} T
(5) 原点に戻る時刻: 7+112T\frac{7 + \sqrt{11}}{2}T

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