長さ $L$ の糸に取り付けられた質量 $m$ の小球について、以下の問いに答える問題です。小球には重力、糸の張力、$y$軸正の向きに大きさ $F$ の力が作用しています。 (a) 小球の位置ベクトル $\vec{r}$ から、速度ベクトル $\vec{v}$、加速度ベクトル $\vec{a}$ を求めよ。 (b) 張力の大きさを $T$ として、$e_r$, $e_\theta$方向の運動方程式を微分方程式の形で表せ。また、鉛直線からのなす角度が $\pi/6$ の位置で小球が静止するときの $F$ の値を求めよ。 (c) $\theta = \pi/6$ からわずかに角度をずらした場合の、単振動の周期を求めよ。
2025/6/4
1. 問題の内容
長さ の糸に取り付けられた質量 の小球について、以下の問いに答える問題です。小球には重力、糸の張力、軸正の向きに大きさ の力が作用しています。
(a) 小球の位置ベクトル から、速度ベクトル 、加速度ベクトル を求めよ。
(b) 張力の大きさを として、, 方向の運動方程式を微分方程式の形で表せ。また、鉛直線からのなす角度が の位置で小球が静止するときの の値を求めよ。
(c) からわずかに角度をずらした場合の、単振動の周期を求めよ。
2. 解き方の手順
(a)
位置ベクトル は問題文で与えられている通り、
速度ベクトル は位置ベクトルを時間で微分することで求められます。極座標における速度ベクトルは、
加速度ベクトル は速度ベクトルを時間で微分することで求められます。極座標における加速度ベクトルは、
(b)
小球に作用する力は、重力 、張力 、外力 です。
重力は と の成分に分解できます。
外力は
より、
運動方程式は なので、各方向ごとに
方向:
方向:
小球が静止するときは、 かつ なので、それぞれの式は
となります。 のとき、、 なので、
(c)
方向の運動方程式は
を代入して
とおくと、が微小なので、
よって、
これは単振動の式であり、角振動数は です。よって、周期 は
3. 最終的な答え
(a)
(b)
方向:
方向:
(c)