無限級数 $f(x) = \frac{x}{1+|x|} + \frac{x}{(1+|x|)^2} + \dots + \frac{x}{(1+|x|)^n} + \dots$ の和を $f(x)$ とするとき、関数 $y=f(x)$ の連続性を調べ、そのグラフを描け。

解析学無限級数収束連続性関数のグラフ
2025/6/5

1. 問題の内容

無限級数 f(x)=x1+x+x(1+x)2++x(1+x)n+f(x) = \frac{x}{1+|x|} + \frac{x}{(1+|x|)^2} + \dots + \frac{x}{(1+|x|)^n} + \dots の和を f(x)f(x) とするとき、関数 y=f(x)y=f(x) の連続性を調べ、そのグラフを描け。

2. 解き方の手順

まず、無限級数の和 f(x)f(x) を求める。これは初項 a=x1+xa = \frac{x}{1+|x|}、公比 r=11+xr = \frac{1}{1+|x|} の等比級数である。
等比級数が収束するのは r<1|r|<1 のときなので、
11+x<1|\frac{1}{1+|x|}|<1 が必要である。
これは常に成立する (x0|x| \ge 0 より 1+x11+|x| \ge 1 であり、11+x1\frac{1}{1+|x|} \le 1。ただし、x=0x=0 のとき 11+x=1\frac{1}{1+|x|} = 1 であるため、x=0x=0の場合は除く)。
よって、x0x \neq 0 のとき、f(x)f(x) は収束し、その和は
f(x)=a1r=x1+x111+x=x1+x1+x11+x=xxf(x) = \frac{a}{1-r} = \frac{\frac{x}{1+|x|}}{1 - \frac{1}{1+|x|}} = \frac{\frac{x}{1+|x|}}{\frac{1+|x|-1}{1+|x|}} = \frac{x}{|x|}
となる。
x>0x>0 のとき、x=x|x| = x であるから、f(x)=xx=1f(x) = \frac{x}{x} = 1
x<0x<0 のとき、x=x|x| = -x であるから、f(x)=xx=1f(x) = \frac{x}{-x} = -1
x=0x=0 のとき、元の級数より全ての項が0となるため、f(0)=0f(0)=0
したがって、f(x)f(x)
f(x) = \begin{cases}
1 & (x > 0) \\
0 & (x = 0) \\
-1 & (x < 0)
\end{cases}
となる。
次に、連続性を調べる。
x=0x=0 において、
limx+0f(x)=1\lim_{x \to +0} f(x) = 1
limx0f(x)=1\lim_{x \to -0} f(x) = -1
f(0)=0f(0) = 0
であるから、x=0x=0 で不連続である。
最後に、グラフを描く。
x>0x>0f(x)=1f(x)=1x<0x<0f(x)=1f(x)=-1x=0x=0f(x)=0f(x)=0 となるグラフを描けば良い。

3. 最終的な答え

関数 f(x)f(x)
f(x) = \begin{cases}
1 & (x > 0) \\
0 & (x = 0) \\
-1 & (x < 0)
\end{cases}
であり、x=0x=0 で不連続である。
(グラフは省略。横軸をx、縦軸をyとして、x>0でy=1、x<0でy=-1、x=0でy=0の点を示す。)

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