長さ $l$ の糸におもり（質量 $m$）がついており、水平面内で等速円運動をしています。糸と鉛直方向のなす角を $\theta$、重力加速度の大きさを $g$ とします。 (1) 糸の張力 $S$ を、鉛直方向の力のつり合いから求めます。 (2) 円運動の半径を求めます。 (3) 円運動の運動方程式を立てます。 (4) おもりの速さ $v$ を求めます。 (5) おもりの角速度 $\omega$ と周期 $T$ を求めます。

1. 問題の内容

長さ $l$ の糸におもり（質量 $m$）がついており、水平面内で等速円運動をしています。糸と鉛直方向のなす角を $\theta$、重力加速度の大きさを $g$ とします。

(1) 糸の張力 $S$ を、鉛直方向の力のつり合いから求めます。

(2) 円運動の半径を求めます。

(3) 円運動の運動方程式を立てます。

(4) おもりの速さ $v$ を求めます。

(5) おもりの角速度 $\omega$ と周期 $T$ を求めます。

2. 解き方の手順

(1) 鉛直方向の力のつり合いの式を立てます。

おもりにはたらく力は、重力 $mg$ と糸の張力 $S$ です。鉛直方向の力のつり合いより、

$S \cos{\theta} = mg$

したがって、$S$ は以下のようになります。

$S = \frac{mg}{\cos{\theta}}$

(2) 円運動の半径 $r$ を求めます。

図から、

$r = l \sin{\theta}$

(3) 円運動の運動方程式を立てます。

糸の張力 $S$ の水平成分 $S \sin{\theta}$ が向心力となり、運動方程式は次のようになります。

$m \frac{v^2}{r} = S \sin{\theta}$

(4) 運動方程式から、おもりの速さ $v$ を求めます。

運動方程式に、$S = \frac{mg}{\cos{\theta}}$ と $r = l \sin{\theta}$ を代入すると、

$m \frac{v^2}{l \sin{\theta}} = \frac{mg}{\cos{\theta}} \sin{\theta}$

$v^2 = gl \frac{\sin^2{\theta}}{\cos{\theta}}$

$v = \sqrt{gl \frac{\sin^2{\theta}}{\cos{\theta}}} = \sin{\theta} \sqrt{\frac{gl}{\cos{\theta}}}$

(5) 角速度 $\omega$ と周期 $T$ を求めます。

$v = r\omega$ より、

$\omega = \frac{v}{r} = \frac{\sin{\theta} \sqrt{\frac{gl}{\cos{\theta}}}}{l \sin{\theta}} = \sqrt{\frac{g}{l \cos{\theta}}}$

周期 $T = \frac{2\pi}{\omega}$ より、

$T = 2\pi \sqrt{\frac{l \cos{\theta}}{g}}$

3. 最終的な答え

(1) 糸の張力 $S = \frac{mg}{\cos{\theta}}$

(2) 円運動の半径 $r = l \sin{\theta}$

(3) 円運動の運動方程式 $m \frac{v^2}{r} = S \sin{\theta}$

(4) おもりの速さ $v = \sin{\theta} \sqrt{\frac{gl}{\cos{\theta}}}$

(5) 角速度 $\omega = \sqrt{\frac{g}{l \cos{\theta}}}$、周期 $T = 2\pi \sqrt{\frac{l \cos{\theta}}{g}}$