平面上の点 $(x, y)$ を縦ベクトル $\mathbf{a} = \begin{pmatrix} x \\ y \end{pmatrix}$ で表す。行列 $A = \begin{pmatrix} 1 & 0 \\ 0 & -1 \end{pmatrix}$ と $B = \begin{pmatrix} 0 & 1 \\ 1 & 0 \end{pmatrix}$ が与えられている。行列 $B$ による変換は、直線 $y=x$ についての折り返し(線対称変換)である。 (1) 行列 $A$ による変換はどのような変換か、適切な用語を用いて表現する。 (2) 点 $\mathbf{a}$ を $A$ で変換し、引き続き $B$ で変換した点を $\mathbf{a}_1$ とする。また点 $\mathbf{a}$ を $B$ で変換し、引き続き $A$ で変換した点を $\mathbf{a}_2$ とする。行列 $A$ と $B$、それぞれによる変換の図形的意味に即して、$\mathbf{a}_1$ と $\mathbf{a}_2$ を図に作図する。 (3) 積 $AB$ と $BA$ をそれぞれ計算し、$AB \neq BA$ を確かめる。 (4) (3) の結果を (2) の結果を使って説明する。
2025/6/8
1. 問題の内容
平面上の点 を縦ベクトル で表す。行列 と が与えられている。行列 による変換は、直線 についての折り返し(線対称変換)である。
(1) 行列 による変換はどのような変換か、適切な用語を用いて表現する。
(2) 点 を で変換し、引き続き で変換した点を とする。また点 を で変換し、引き続き で変換した点を とする。行列 と 、それぞれによる変換の図形的意味に即して、 と を図に作図する。
(3) 積 と をそれぞれ計算し、 を確かめる。
(4) (3) の結果を (2) の結果を使って説明する。
2. 解き方の手順
(1)
行列 による変換を考える。
これは、 軸に関する折り返し(線対称変換)を表す。
(2)
とする。
まず、 を で変換すると となる。
次に、 を で変換すると となる。
一方、 を で変換すると となる。
次に、 を で変換すると となる。
図に と を書き込む。
(3)
よって、 である。
(4)
(2) の結果から、 であり、 である。
なので、 である。
は反時計回りに90度回転させた後、軸について線対称変換する。
は軸について線対称変換した後、直線 について線対称変換する。
3. 最終的な答え
(1) 軸に関する折り返し(線対称変換)
(2) 図は省略。
(3) 、 。
(4) (2) の結果から、 なので、 である。