区間 $[0, 2\pi]$ で定義された2つの関数 $f(t) = \sin t$ と $g(t) = \cos t$ の相互相関関数 $R_{fg}(\tau)$ を求め、規格化すること。また、$R_{fg}(\tau)$ から何がわかるかを答える。

1. 問題の内容

区間 $[0, 2\pi]$ で定義された2つの関数 $f(t) = \sin t$ と $g(t) = \cos t$ の相互相関関数 $R_{fg}(\tau)$ を求め、規格化すること。また、$R_{fg}(\tau)$ から何がわかるかを答える。

2. 解き方の手順

相互相関関数 $R_{fg}(\tau)$ は、次のように定義される。

$R_{fg}(\tau) = \int_{0}^{2\pi} f(t) g(t+\tau) dt$

ここで、$f(t) = \sin t$ と $g(t) = \cos t$ を代入すると、

$R_{fg}(\tau) = \int_{0}^{2\pi} \sin t \cos (t+\tau) dt$

三角関数の積和の公式 $\sin A \cos B = \frac{1}{2} (\sin(A+B) + \sin(A-B))$ を用いると、

$R_{fg}(\tau) = \int_{0}^{2\pi} \frac{1}{2} [\sin (2t + \tau) + \sin (-\tau)] dt$

$R_{fg}(\tau) = \frac{1}{2} \int_{0}^{2\pi} \sin (2t + \tau) dt - \frac{1}{2} \int_{0}^{2\pi} \sin \tau dt$

$R_{fg}(\tau) = \frac{1}{2} [-\frac{1}{2} \cos (2t + \tau)]_{0}^{2\pi} - \frac{1}{2} [\sin \tau \cdot t]_{0}^{2\pi}$

$R_{fg}(\tau) = \frac{1}{2} [-\frac{1}{2} (\cos (4\pi + \tau) - \cos \tau)] - \frac{1}{2} [2\pi \sin \tau]$

$R_{fg}(\tau) = \frac{1}{2} [-\frac{1}{2} (\cos \tau - \cos \tau)] - \pi \sin \tau$

$R_{fg}(\tau) = - \pi \sin \tau$

規格化するために、相互相関関数のエネルギーを求める。

$E = \int_0^{2\pi} R_{fg}^2(\tau) d\tau = \int_0^{2\pi} (-\pi \sin \tau)^2 d\tau = \pi^2 \int_0^{2\pi} \sin^2 \tau d\tau = \pi^2 \int_0^{2\pi} \frac{1 - \cos(2\tau)}{2} d\tau = \pi^2 [\frac{\tau}{2} - \frac{\sin(2\tau)}{4}]_0^{2\pi} = \pi^2 [\frac{2\pi}{2} - 0] = \pi^3$

相互相関関数 $R_{fg}$ のエネルギーが $\pi^3$ なので, 規格化された相互相関関数は

$\frac{R_{fg}(\tau)}{\sqrt{E}} = \frac{-\pi \sin \tau}{\sqrt{\pi^3}} = -\sqrt{\frac{1}{\pi}}\sin \tau$

$R_{fg}(\tau)$ は $f(t)$ と $g(t)$ の間の類似性を示す。ここでは、$R_{fg}(\tau) = -\pi \sin \tau$ なので、$\sin t$ と $\cos t$ は $\frac{\pi}{2}$ だけ位相がずれていることがわかる。

3. 最終的な答え

規格化された相互相関関数: $R_{fg}(\tau) = -\sqrt{\frac{1}{\pi}}\sin \tau$

$R_{fg}(\tau)$ から、$\sin t$ と $\cos t$ は $\frac{\pi}{2}$ だけ位相がずれていることがわかる。