放物線 y=x2+ax+b が第3象限を通らない条件を考えます。 第3象限を通らないとは、放物線と x 軸, y 軸との交点、頂点の位置関係から判断できます。 放物線が第3象限を通らない条件は、以下の3つの場合に分けられます。
(iii) 放物線が x 軸と2点で交わるが、その2つの交点が共に正または共に負の場合 y=x2+ax+b の y 切片は x=0 のときの y の値なので、y=b となります。 したがって、b≥0 である必要があります。 x2+ax+b=0 の判別式を D とすると、D=a2−4b となります。 (i) D<0 のとき、x2+ax+b=0 は実数解を持たないため、y=x2+ax+b は x 軸と交わりません。このとき、y=x2+ax+b は常に正であるので、第3象限を通ることはありません。 この条件は a2−4b<0、つまり b>4a2 です。 (ii) D=0 のとき、x2+ax+b=0 は重解 x=−2a を持ちます。このとき、y=x2+ax+b は x 軸と接します。 x=−2a≥0 ならば、a≤0 であり、放物線は第3象限を通りません。 x=−2a<0 ならば、a>0 であり、放物線は第3象限を通る可能性があります。 a2−4b=0 より、b=4a2 です。 b≥0 なので、a の符号に関わらず、b=4a2 は常に成立します。 a≤0 のとき、b=4a2 は第3象限を通らない条件を満たします。 (iii) D>0 のとき、x2+ax+b=0 は2つの実数解を持ちます。 解の公式より、2つの解は x=2−a±a2−4b となります。 放物線が第3象限を通らないためには、2つの解が共に正であるか、共に負である必要があります。
2つの解が共に正であるためには、解と係数の関係より、
2−a−a2−4b>0 かつ 2−a+a2−4b>0 である必要があります。 しかし、a2−4b>0 より、a2−4b>0 なので、常に −a−a2−4b<−a+a2−4b となります。 したがって、2−a+a2−4b>0 のときのみを考えればよいことになります。 同様に、2つの解が共に負であるためには、2−a+a2−4b<0 かつ 2−a−a2−4b<0 である必要があります。 y 切片が正であるとき、b>0 であり、放物線は必ず第3象限を通ります。 y 切片が0であるとき、b=0 であり、x2+ax=x(x+a)=0 となるため、x=0,−a となります。 したがって、a≥0 であれば、第3象限を通りません。 まとめると、第3象限を通らない条件は、b≥4a2 または b≥0 かつ a≥0 となります。 よって、ab 平面上に、b≥4a2 の領域を図示します。