放物線 $y = x^2 + ax + b$ が第3象限を通らないとき、点 $(a, b)$ の存在する範囲を $ab$ 平面上に図示する問題です。

代数学二次関数放物線グラフ不等式判別式
2025/6/8

1. 問題の内容

放物線 y=x2+ax+by = x^2 + ax + b が第3象限を通らないとき、点 (a,b)(a, b) の存在する範囲を abab 平面上に図示する問題です。

2. 解き方の手順

放物線 y=x2+ax+by = x^2 + ax + b が第3象限を通らない条件を考えます。
第3象限を通らないとは、放物線と xx 軸, yy 軸との交点、頂点の位置関係から判断できます。
放物線が第3象限を通らない条件は、以下の3つの場合に分けられます。
(i) 放物線が xx 軸と交わらない場合
(ii) 放物線が xx 軸と接する場合
(iii) 放物線が xx 軸と2点で交わるが、その2つの交点が共に正または共に負の場合
まず、yy 切片について考えます。
y=x2+ax+by = x^2 + ax + byy 切片は x=0x=0 のときの yy の値なので、y=by=b となります。
したがって、b0b \geq 0 である必要があります。
次に、xx 軸との交点について考えます。
x2+ax+b=0x^2 + ax + b = 0 の判別式を DD とすると、D=a24bD = a^2 - 4b となります。
(i) D<0D < 0 のとき、x2+ax+b=0x^2 + ax + b = 0 は実数解を持たないため、y=x2+ax+by = x^2 + ax + bxx 軸と交わりません。このとき、y=x2+ax+by = x^2 + ax + b は常に正であるので、第3象限を通ることはありません。
この条件は a24b<0a^2 - 4b < 0、つまり b>a24b > \frac{a^2}{4} です。
(ii) D=0D = 0 のとき、x2+ax+b=0x^2 + ax + b = 0 は重解 x=a2x = -\frac{a}{2} を持ちます。このとき、y=x2+ax+by = x^2 + ax + bxx 軸と接します。
x=a20x = -\frac{a}{2} \geq 0 ならば、a0a \leq 0 であり、放物線は第3象限を通りません。
x=a2<0x = -\frac{a}{2} < 0 ならば、a>0a > 0 であり、放物線は第3象限を通る可能性があります。
a24b=0a^2 - 4b = 0 より、b=a24b = \frac{a^2}{4} です。
b0b \geq 0 なので、aa の符号に関わらず、b=a24b = \frac{a^2}{4} は常に成立します。
a0a \le 0 のとき、b=a24b = \frac{a^2}{4} は第3象限を通らない条件を満たします。
(iii) D>0D > 0 のとき、x2+ax+b=0x^2 + ax + b = 0 は2つの実数解を持ちます。
解の公式より、2つの解は x=a±a24b2x = \frac{-a \pm \sqrt{a^2 - 4b}}{2} となります。
放物線が第3象限を通らないためには、2つの解が共に正であるか、共に負である必要があります。
2つの解が共に正であるためには、解と係数の関係より、
aa24b2>0\frac{-a - \sqrt{a^2 - 4b}}{2} > 0 かつ a+a24b2>0\frac{-a + \sqrt{a^2 - 4b}}{2} > 0 である必要があります。
しかし、a24b>0a^2 - 4b > 0 より、a24b>0\sqrt{a^2 - 4b} > 0 なので、常に aa24b<a+a24b-a - \sqrt{a^2 - 4b} < -a + \sqrt{a^2 - 4b} となります。
したがって、a+a24b2>0\frac{-a + \sqrt{a^2 - 4b}}{2} > 0 のときのみを考えればよいことになります。
同様に、2つの解が共に負であるためには、a+a24b2<0\frac{-a + \sqrt{a^2 - 4b}}{2} < 0 かつ aa24b2<0\frac{-a - \sqrt{a^2 - 4b}}{2} < 0 である必要があります。
yy 切片が正であるとき、b>0b > 0 であり、放物線は必ず第3象限を通ります。
yy 切片が0であるとき、b=0b = 0 であり、x2+ax=x(x+a)=0x^2 + ax = x(x+a) = 0 となるため、x=0,ax = 0, -a となります。
したがって、a0a \geq 0 であれば、第3象限を通りません。
まとめると、第3象限を通らない条件は、ba24b \geq \frac{a^2}{4} または b0b \geq 0 かつ a0a \geq 0 となります。
よって、abab 平面上に、ba24b \geq \frac{a^2}{4} の領域を図示します。

3. 最終的な答え

abab 平面上に、ba24b \geq \frac{a^2}{4} の領域を図示します。

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