次の同次連立一次方程式が非自明な解を持つような $a$ の値を求め、その場合の非自明な解を求める。 $\begin{cases} -x + y + az = 0 \\ 5x - 2y + 15z = 0 \\ 4x - y + (a+15)z = 0 \\ (a+1)x + y - 6z = 0 \end{cases}$

代数学連立一次方程式線形代数行列式非自明な解
2025/6/9

1. 問題の内容

次の同次連立一次方程式が非自明な解を持つような aa の値を求め、その場合の非自明な解を求める。
$\begin{cases}
-x + y + az = 0 \\
5x - 2y + 15z = 0 \\
4x - y + (a+15)z = 0 \\
(a+1)x + y - 6z = 0
\end{cases}$

2. 解き方の手順

連立方程式を行列で表現する。
$A = \begin{pmatrix}
-1 & 1 & a \\
5 & -2 & 15 \\
4 & -1 & a+15 \\
a+1 & 1 & -6
\end{pmatrix}$
連立方程式が非自明な解を持つためには、行列 AA のランクが未知数の数(ここでは3)より小さくなければならない。まず、行列式 A=0|A| = 0 となる aa の値を求めることを考える。しかし、4×34 \times 3 行列なので、行列式は定義できない。
代わりに、第1式、第2式、第3式からなる 3×33 \times 3 部分行列を考える。
$A' = \begin{pmatrix}
-1 & 1 & a \\
5 & -2 & 15 \\
4 & -1 & a+15
\end{pmatrix}$
$|A'| = -1(-2(a+15) - (-15)) - 1(5(a+15) - 4(15)) + a(5(-1) - 4(-2)) \\
= -1(-2a - 30 + 15) - 1(5a + 75 - 60) + a(-5 + 8) \\
= 2a + 15 - 5a - 15 + 3a \\
= 0$
この行列式は常に0なので、aa がどのような値でも、第1式、第2式、第3式は線形従属である。
次に、第1式、第2式から xxyyzz で表す。
x+y+az=0-x + y + az = 0 より y=xazy = x - az
5x2y+15z=05x - 2y + 15z = 0 に代入して 5x2(xaz)+15z=05x - 2(x - az) + 15z = 0
3x+(2a+15)z=03x + (2a + 15)z = 0
x=2a+153zx = -\frac{2a+15}{3} z
y=xaz=2a+153zaz=2a+15+3a3z=5a+153z=5(a+3)3zy = x - az = -\frac{2a+15}{3} z - az = -\frac{2a+15+3a}{3} z = -\frac{5a+15}{3} z = -\frac{5(a+3)}{3}z
これを第4式に代入する。
(a+1)x+y6z=0(a+1)x + y - 6z = 0
(a+1)(2a+153z)5(a+3)3z6z=0(a+1) (-\frac{2a+15}{3} z) - \frac{5(a+3)}{3} z - 6z = 0
(a+1)(2a+15)35(a+3)36=0-\frac{(a+1)(2a+15)}{3} - \frac{5(a+3)}{3} - 6 = 0
(a+1)(2a+15)5(a+3)18=0-(a+1)(2a+15) - 5(a+3) - 18 = 0
(2a2+17a+15)5a1518=0-(2a^2 + 17a + 15) - 5a - 15 - 18 = 0
2a217a155a33=0-2a^2 - 17a - 15 - 5a - 33 = 0
2a222a48=0-2a^2 - 22a - 48 = 0
a2+11a+24=0a^2 + 11a + 24 = 0
(a+3)(a+8)=0(a+3)(a+8) = 0
a=3,8a = -3, -8
a=3a = -3 のとき
x=2(3)+153z=93z=3zx = -\frac{2(-3)+15}{3} z = -\frac{9}{3} z = -3z
y=5(3+3)3z=0y = -\frac{5(-3+3)}{3} z = 0
(3z,0,z)(-3z, 0, z)
a=8a = -8 のとき
x=2(8)+153z=13z=13zx = -\frac{2(-8)+15}{3} z = -\frac{-1}{3} z = \frac{1}{3}z
y=5(8+3)3z=253z=253zy = -\frac{5(-8+3)}{3} z = -\frac{-25}{3}z = \frac{25}{3}z
(13z,253z,z)(\frac{1}{3}z, \frac{25}{3}z, z)

3. 最終的な答え

a=3a = -3 のとき、解は (3z,0,z)(-3z, 0, z)zz は任意の実数、ただし z0z \neq 0
a=8a = -8 のとき、解は (13z,253z,z)(\frac{1}{3}z, \frac{25}{3}z, z)zz は任意の実数、ただし z0z \neq 0
言い換えると、a=3a = -3 のとき、解は (3,0,1)(-3, 0, 1) の定数倍。
a=8a = -8 のとき、解は (1,25,3)(1, 25, 3) の定数倍。

「代数学」の関連問題

$x, y$ は実数、$n$ は整数とする。対偶を考えて、次の命題を証明する問題です。 (1) $x^3 \neq 1 \implies x \neq 1$ (2) $x+y > 3 \implies...

命題対偶証明不等式整数
2025/6/9

$a$ を正の定数とする。不等式 $|x-2| < a$ を満たす整数 $x$ がちょうど5個存在するような $a$ の値の範囲を求めよ。

不等式絶対値整数解
2025/6/9

与えられた連立一次方程式を行列で表現し、掃き出し法を用いて解を求める問題です。 連立一次方程式は $Ax=b$ の形で与えられており、ここで $A = \begin{bmatrix} 1 & 0 & ...

線形代数連立一次方程式行列掃き出し法ガウスの消去法
2025/6/9

与えられた2次関数を平方完成し、頂点の座標を求める問題です。$a$は正の定数です。 (1) $y = ax^2 - 2ax + 2 - 3a$ (2) $y = x^2 - 2x + 2a + 4$

二次関数平方完成頂点
2025/6/9

与えられた4つの連立1次方程式を解く問題です。各方程式は $Ax=b$ の形式で与えられています。

連立一次方程式線形代数掃き出し法ガウスの消去法行列
2025/6/9

2次方程式 $x^2 - mx - m + 8 = 0$ が異なる2つの負の実数解を持つように、定数 $m$ の値の範囲を求めます。

二次方程式判別式解と係数の関係不等式
2025/6/9

初項 $a_1 = 2$ であり、漸化式 $a_{k+1} = 3a_k + 2$ ($k = 1, 2, 3, \dots$)で定義される数列 $\{a_n\}$ の一般項 $a_n$ を求める。

数列漸化式一般項等比数列
2025/6/9

与えられた5つの行列の行列式を計算します。

行列式線形代数2x2行列3x3行列サラスの公式余因子展開
2025/6/9

与えられた6つの2次関数について、それぞれのグラフの軸と頂点を求める問題です。

二次関数平方完成グラフ頂点
2025/6/9

画像に記載された線形代数の問題は以下の通りです。 * 問題1:ベクトルの外積の計算 * 問題2:行列の積の計算(AB, Ac, d^{T}c) * 問題3:行列の性質の証明(ABC=0 な...

線形代数ベクトル外積行列行列の積行列の性質連立一次方程式階数
2025/6/9