## 問題の内容

確率論・統計学確率変数同時確率分布周辺確率分布期待値独立性
2025/6/9
## 問題の内容
確率変数 XXYY の同時確率分布が与えられています。
(a) 周辺確率分布 PXP_XPYP_Y を求めます。
(b) 期待値 E[X]E[X], E[Y]E[Y], E[X+Y]E[X+Y] を求めます。
(c) X2X^2Y2Y^2 の同時確率分布表を作成します。
(d) XXYY が独立かどうかを判断し、理由を述べます。
(e) X2X^2Y2Y^2 が独立かどうかを判断し、理由を述べます。
## 解き方の手順
(a) 周辺確率分布の計算:
周辺確率分布は、同時確率分布の行または列の和として計算されます。
PX(x)=yP(X=x,Y=y)P_X(x) = \sum_y P(X=x, Y=y)
PY(y)=xP(X=x,Y=y)P_Y(y) = \sum_x P(X=x, Y=y)
PX(1)=332+532+132=932P_X(-1) = \frac{3}{32} + \frac{5}{32} + \frac{1}{32} = \frac{9}{32}
PX(0)=532+832+332=1632=12P_X(0) = \frac{5}{32} + \frac{8}{32} + \frac{3}{32} = \frac{16}{32} = \frac{1}{2}
PX(1)=332+332+132=732P_X(1) = \frac{3}{32} + \frac{3}{32} + \frac{1}{32} = \frac{7}{32}
PY(1)=332+532+332=1132P_Y(-1) = \frac{3}{32} + \frac{5}{32} + \frac{3}{32} = \frac{11}{32}
PY(0)=532+832+332=1632=12P_Y(0) = \frac{5}{32} + \frac{8}{32} + \frac{3}{32} = \frac{16}{32} = \frac{1}{2}
PY(1)=132+332+132=532P_Y(1) = \frac{1}{32} + \frac{3}{32} + \frac{1}{32} = \frac{5}{32}
(b) 期待値の計算:
期待値は、確率変数の値とその確率の積の和として計算されます。
E[X]=xxPX(x)E[X] = \sum_x x P_X(x)
E[Y]=yyPY(y)E[Y] = \sum_y y P_Y(y)
E[X+Y]=E[X]+E[Y]E[X+Y] = E[X] + E[Y]
E[X]=(1)932+(0)12+(1)732=932+732=232=116E[X] = (-1) \cdot \frac{9}{32} + (0) \cdot \frac{1}{2} + (1) \cdot \frac{7}{32} = -\frac{9}{32} + \frac{7}{32} = -\frac{2}{32} = -\frac{1}{16}
E[Y]=(1)1132+(0)12+(1)532=1132+532=632=316E[Y] = (-1) \cdot \frac{11}{32} + (0) \cdot \frac{1}{2} + (1) \cdot \frac{5}{32} = -\frac{11}{32} + \frac{5}{32} = -\frac{6}{32} = -\frac{3}{16}
E[X+Y]=E[X]+E[Y]=116316=416=14E[X+Y] = E[X] + E[Y] = -\frac{1}{16} - \frac{3}{16} = -\frac{4}{16} = -\frac{1}{4}
(c) X2X^2Y2Y^2 の同時確率分布表:
X2X^2Y2Y^2 の可能な値は 0 と 1 です。元の同時確率分布表から、各組み合わせの確率を計算します。
P(X2=0,Y2=0)=P(X=0,Y=0)=832=14P(X^2=0, Y^2=0) = P(X=0, Y=0) = \frac{8}{32} = \frac{1}{4}
P(X2=0,Y2=1)=P(X=0,Y=1)+P(X=0,Y=1)=532+332=832=14P(X^2=0, Y^2=1) = P(X=0, Y=-1) + P(X=0, Y=1) = \frac{5}{32} + \frac{3}{32} = \frac{8}{32} = \frac{1}{4}
P(X2=1,Y2=0)=P(X=1,Y=0)+P(X=1,Y=0)=532+332=832=14P(X^2=1, Y^2=0) = P(X=-1, Y=0) + P(X=1, Y=0) = \frac{5}{32} + \frac{3}{32} = \frac{8}{32} = \frac{1}{4}
P(X2=1,Y2=1)=P(X=1,Y=1)+P(X=1,Y=1)+P(X=1,Y=1)+P(X=1,Y=1)=332+132+332+132=832=14P(X^2=1, Y^2=1) = P(X=-1, Y=-1) + P(X=-1, Y=1) + P(X=1, Y=-1) + P(X=1, Y=1) = \frac{3}{32} + \frac{1}{32} + \frac{3}{32} + \frac{1}{32} = \frac{8}{32} = \frac{1}{4}
| X2\Y2X^2 \backslash Y^2 | 0 | 1 |
|--------------------|-----|-----|
| 0 | 1/4 | 1/4 |
| 1 | 1/4 | 1/4 |
(d) XXYY の独立性:
XXYY が独立であるためには、すべての xxyy について P(X=x,Y=y)=PX(x)PY(y)P(X=x, Y=y) = P_X(x) P_Y(y) が成り立つ必要があります。
P(X=1,Y=1)=332P(X=-1, Y=-1) = \frac{3}{32}
PX(1)PY(1)=9321132=991024P_X(-1)P_Y(-1) = \frac{9}{32} \cdot \frac{11}{32} = \frac{99}{1024}
332991024\frac{3}{32} \neq \frac{99}{1024} なので、XXYY は独立ではありません。
(e) X2X^2Y2Y^2 の独立性:
X2X^2Y2Y^2 が独立であるためには、すべての x2x^2y2y^2 について P(X2=x2,Y2=y2)=PX2(x2)PY2(y2)P(X^2=x^2, Y^2=y^2) = P_{X^2}(x^2) P_{Y^2}(y^2) が成り立つ必要があります。
PX2(0)=PX(0)=12P_{X^2}(0) = P_X(0) = \frac{1}{2}
PX2(1)=PX(1)+PX(1)=932+732=1632=12P_{X^2}(1) = P_X(-1) + P_X(1) = \frac{9}{32} + \frac{7}{32} = \frac{16}{32} = \frac{1}{2}
PY2(0)=PY(0)=12P_{Y^2}(0) = P_Y(0) = \frac{1}{2}
PY2(1)=PY(1)+PY(1)=1132+532=1632=12P_{Y^2}(1) = P_Y(-1) + P_Y(1) = \frac{11}{32} + \frac{5}{32} = \frac{16}{32} = \frac{1}{2}
P(X2=0,Y2=0)=14P(X^2=0, Y^2=0) = \frac{1}{4}
PX2(0)PY2(0)=1212=14P_{X^2}(0) P_{Y^2}(0) = \frac{1}{2} \cdot \frac{1}{2} = \frac{1}{4}
他のすべての組み合わせについても同様に P(X2=x2,Y2=y2)=PX2(x2)PY2(y2)=14P(X^2=x^2, Y^2=y^2) = P_{X^2}(x^2) P_{Y^2}(y^2) = \frac{1}{4}が成立します。したがって、X2X^2Y2Y^2 は独立です。
## 最終的な答え
(a)
PX(1)=932P_X(-1) = \frac{9}{32}
PX(0)=12P_X(0) = \frac{1}{2}
PX(1)=732P_X(1) = \frac{7}{32}
PY(1)=1132P_Y(-1) = \frac{11}{32}
PY(0)=12P_Y(0) = \frac{1}{2}
PY(1)=532P_Y(1) = \frac{5}{32}
(b)
E[X]=116E[X] = -\frac{1}{16}
E[Y]=316E[Y] = -\frac{3}{16}
E[X+Y]=14E[X+Y] = -\frac{1}{4}
(c)
| X2\Y2X^2 \backslash Y^2 | 0 | 1 |
|--------------------|-----|-----|
| 0 | 1/4 | 1/4 |
| 1 | 1/4 | 1/4 |
(d) XXYY は独立ではない。理由は P(X=x,Y=y)PX(x)PY(y)P(X=x, Y=y) \neq P_X(x) P_Y(y) となる (x,y)(x,y) が存在するから。
(e) X2X^2Y2Y^2 は独立である。理由は P(X2=x2,Y2=y2)=PX2(x2)PY2(y2)P(X^2=x^2, Y^2=y^2) = P_{X^2}(x^2) P_{Y^2}(y^2) がすべての x2x^2y2y^2 について成り立つから。

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