関数 $f(x) = \cos x$ の $n$ 次導関数 $\frac{d^n f}{dx^n}$ ($n \geq 2$) を求め、さらに $x=0$ における $f$ のマクローリン展開を求めます。

解析学微分導関数マクローリン展開三角関数
2025/6/9

1. 問題の内容

関数 f(x)=cosxf(x) = \cos xnn 次導関数 dnfdxn\frac{d^n f}{dx^n} (n2n \geq 2) を求め、さらに x=0x=0 における ff のマクローリン展開を求めます。

2. 解き方の手順

まず、f(x)=cosxf(x) = \cos x の導関数をいくつか計算し、規則性を見つけます。
f(x)=cosxf(x) = \cos x
f(x)=sinxf'(x) = -\sin x
f(x)=cosxf''(x) = -\cos x
f(x)=sinxf'''(x) = \sin x
f(4)(x)=cosxf^{(4)}(x) = \cos x
このように、導関数は4回ごとに元の関数に戻ります。したがって、nn 次導関数は以下のようになります。
f(n)(x)=cos(x+nπ2)f^{(n)}(x) = \cos(x + \frac{n\pi}{2})
次に、x=0x=0 におけるマクローリン展開を求めます。マクローリン展開は、関数 f(x)f(x)x=0x=0 の周りで展開したもので、以下の式で表されます。
f(x)=n=0f(n)(0)n!xnf(x) = \sum_{n=0}^{\infty} \frac{f^{(n)}(0)}{n!}x^n
f(0)=cos(0)=1f(0) = \cos(0) = 1
f(0)=sin(0)=0f'(0) = -\sin(0) = 0
f(0)=cos(0)=1f''(0) = -\cos(0) = -1
f(0)=sin(0)=0f'''(0) = \sin(0) = 0
f(4)(0)=cos(0)=1f^{(4)}(0) = \cos(0) = 1
一般的に、f(n)(0)=cos(nπ2)f^{(n)}(0) = \cos(\frac{n\pi}{2}) となります。
したがって、マクローリン展開は以下のようになります。
f(x)=1x22!+x44!x66!+f(x) = 1 - \frac{x^2}{2!} + \frac{x^4}{4!} - \frac{x^6}{6!} + \cdots
これは cosx\cos x のマクローリン展開として知られています。
cosx=n=0(1)n(2n)!x2n\cos x = \sum_{n=0}^{\infty} \frac{(-1)^n}{(2n)!} x^{2n}

3. 最終的な答え

nn次導関数:
f(n)(x)=cos(x+nπ2)f^{(n)}(x) = \cos(x + \frac{n\pi}{2})
マクローリン展開:
cosx=n=0(1)n(2n)!x2n=1x22!+x44!x66!+\cos x = \sum_{n=0}^{\infty} \frac{(-1)^n}{(2n)!} x^{2n} = 1 - \frac{x^2}{2!} + \frac{x^4}{4!} - \frac{x^6}{6!} + \cdots

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