ある案に対して賛成が全体の2/3を超えることを証明するために、10人に聞いたところ9人が賛成した。この結果から、賛成の割合が2/3を超えると言えるかを問う問題です。

確率論・統計学仮説検定二項分布確率統計的推測
2025/6/9

1. 問題の内容

ある案に対して賛成が全体の2/3を超えることを証明するために、10人に聞いたところ9人が賛成した。この結果から、賛成の割合が2/3を超えると言えるかを問う問題です。

2. 解き方の手順

この問題を解くには、仮説検定の考え方を使います。
* 帰無仮説:賛成の割合は2/3以下である。
* 対立仮説:賛成の割合は2/3より大きい。
帰無仮説が正しいと仮定した場合に、10人中9人以上が賛成する確率を計算します。
これは二項分布に従うと考えられます。
n=10 (試行回数)、p=2/3 (成功確率) で、k=9または10回成功する確率を計算します。
P(X9)=P(X=9)+P(X=10)P(X \ge 9) = P(X = 9) + P(X = 10)
二項分布の確率質量関数は以下の通りです。
P(X=k)=(nk)pk(1p)nkP(X = k) = \binom{n}{k} p^k (1-p)^{n-k}
P(X=9)=(109)(23)9(13)1=10×(23)9×(13)10×0.0260×0.33330.0867P(X=9) = \binom{10}{9} (\frac{2}{3})^9 (\frac{1}{3})^1 = 10 \times (\frac{2}{3})^9 \times (\frac{1}{3}) \approx 10 \times 0.0260 \times 0.3333 \approx 0.0867
P(X=10)=(1010)(23)10(13)0=1×(23)10×10.0173P(X=10) = \binom{10}{10} (\frac{2}{3})^{10} (\frac{1}{3})^0 = 1 \times (\frac{2}{3})^{10} \times 1 \approx 0.0173
P(X9)=P(X=9)+P(X=10)0.0867+0.01730.1040P(X \ge 9) = P(X=9) + P(X=10) \approx 0.0867 + 0.0173 \approx 0.1040
この確率(0.1040)は、有意水準(例えば0.05)よりも大きいので、帰無仮説を棄却することはできません。

3. 最終的な答え

比率が2/3とする帰無仮説が棄却されず、2/3を超えることが証明できなかった。

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