$n$ 個の袋があり、それぞれの袋には白玉が2個と赤玉が $2n-2$ 個入っている。それぞれの袋から玉を1個ずつ取り出すとき、取り出した白玉の個数が2個である事象の確率を $p_n$ とする。このとき、$\lim_{n \to \infty} p_n$ を求めよ。

確率論・統計学確率極限確率変数組み合わせ
2025/6/10

1. 問題の内容

nn 個の袋があり、それぞれの袋には白玉が2個と赤玉が 2n22n-2 個入っている。それぞれの袋から玉を1個ずつ取り出すとき、取り出した白玉の個数が2個である事象の確率を pnp_n とする。このとき、limnpn\lim_{n \to \infty} p_n を求めよ。

2. 解き方の手順

各袋から玉を1個ずつ取り出すので、全部で nn 個の玉を取り出すことになる。このうち、白玉がちょうど2個である確率 pnp_n を求める。どの2つの袋から白玉を取り出すかを考える。nn 個の袋から2つの袋を選ぶ組み合わせは (n2)\binom{n}{2} 通りある。選んだ2つの袋から白玉を取り出し、残りの n2n-2 個の袋からは赤玉を取り出す確率を考える。
ある特定の2つの袋(例えば袋 ii と袋 jj)から白玉を取り出し、残りの n2n-2 個の袋から赤玉を取り出す確率を計算する。袋 ii から白玉を取り出す確率は 22n\frac{2}{2n} であり、袋 jj から白玉を取り出す確率は 22n\frac{2}{2n} である。残りの n2n-2 個の袋から赤玉を取り出す確率は、各袋について 2n22n=n1n\frac{2n-2}{2n} = \frac{n-1}{n} であるから、(n2)(n-2) 個の袋については (n1n)n2\left( \frac{n-1}{n} \right)^{n-2} となる。
よって、ある特定の2つの袋から白玉を取り出し、残りの袋から赤玉を取り出す確率は
22n22n(n1n)n2=1n2(n1n)n2=1n2(11n)n2\frac{2}{2n} \cdot \frac{2}{2n} \cdot \left( \frac{n-1}{n} \right)^{n-2} = \frac{1}{n^2} \left( \frac{n-1}{n} \right)^{n-2} = \frac{1}{n^2} \left( 1 - \frac{1}{n} \right)^{n-2}
pnp_n は、(n2)\binom{n}{2} 通りの組み合わせそれぞれに対して上の確率を足し合わせたものになるので、
pn=(n2)1n2(11n)n2=n(n1)21n2(11n)n2=n12n(11n)n2=12(11n)(11n)n2p_n = \binom{n}{2} \cdot \frac{1}{n^2} \left( 1 - \frac{1}{n} \right)^{n-2} = \frac{n(n-1)}{2} \cdot \frac{1}{n^2} \left( 1 - \frac{1}{n} \right)^{n-2} = \frac{n-1}{2n} \left( 1 - \frac{1}{n} \right)^{n-2} = \frac{1}{2} \left( 1 - \frac{1}{n} \right) \left( 1 - \frac{1}{n} \right)^{n-2}
limn(11n)=1\lim_{n \to \infty} \left( 1 - \frac{1}{n} \right) = 1 であり、limn(11n)n=e1\lim_{n \to \infty} \left( 1 - \frac{1}{n} \right)^{n} = e^{-1} であるから、
limn(11n)n2=limn(11n)n(11n)2=e11=e1\lim_{n \to \infty} \left( 1 - \frac{1}{n} \right)^{n-2} = \lim_{n \to \infty} \left( 1 - \frac{1}{n} \right)^{n} \left( 1 - \frac{1}{n} \right)^{-2} = e^{-1} \cdot 1 = e^{-1}
よって、limnpn=121e1=12e\lim_{n \to \infty} p_n = \frac{1}{2} \cdot 1 \cdot e^{-1} = \frac{1}{2e}

3. 最終的な答え

limnpn=12e\lim_{n \to \infty} p_n = \frac{1}{2e}

「確率論・統計学」の関連問題

マンションXとマンションYの世帯人数に関する表が与えられています。 問1:マンションXの平均世帯人数を小数点以下第3位を四捨五入して求めます。 問2:マンションYの平均世帯人数、マンションXで3人以上...

平均割合統計
2025/6/14

ある野球チームの8試合の得点数 $x$ と三振数 $y$ のデータが与えられている。$x$ と $y$ の平均値 $\bar{x}$, $\bar{y}$ を求め、表中の空欄を埋め、 $x$ の標準偏...

統計相関関係平均標準偏差共分散相関係数
2025/6/14

ある飲食店が新商品X, Yを販売するにあたり、それぞれ5人のモニターに10点満点で採点してもらった。Xの採点$x$とYの採点$y$が表で与えられている。$x, y$のデータの平均値、分散、標準偏差をそ...

平均値分散標準偏差データ解析統計
2025/6/14

大人2人と子供6人が円形のテーブルのまわりに座る時、以下の座り方は何通りあるか。 (1) 大人2人が向かい合う。 (2) 大人2人が隣り合う。

順列組合せ円順列場合の数
2025/6/14

箱の中に赤玉3個、白玉2個、青玉1個が入っている。この中から3個を同時に取り出したとき、赤、白、青の3色が揃う確率を求める問題。

確率組み合わせ場合の数
2025/6/14

2つのサイコロを同時に振ったとき、出た目の数の積が3の倍数になる確率を求める問題です。最終的な答えは既約分数で答えます。

確率サイコロ倍数確率計算場合の数
2025/6/14

美術部、書道部、合唱部の部員がそれぞれ3人ずつ、合計9人いる。この9人を2人、3人、4人の3つのグループに分ける。 (1) 美術部の部員だけで3人のグループを作る。残りの6人から2人を選ぶ選び方は全部...

組み合わせ順列場合の数グループ分け
2025/6/14

美術部、書道部、合唱部の部員がそれぞれ3人ずつ、合計9人いる。この9人を2人、3人、4人の3つのグループに分ける。 (1) 美術部の部員だけで3人のグループを作る。残りの6人から2人を選ぶ選び方は何通...

組み合わせ場合の数グループ分け
2025/6/14

この問題は、さいころを最大2回投げるゲームに関する期待値の問題です。1か6の目が出ると100点、それ以外の目が出ると-20点を得ます。1回でゲームを止めても良いとき、1回投げた時の期待値$X_1$と、...

期待値確率サイコロ
2025/6/14

袋の中に赤球2個と白球4個が入っている。この袋から3個の球を同時に取り出す。取り出した赤球1個につき100円、白球1個につき50円もらえるゲームを行う。このとき、ゲームの参加料がいくら未満なら参加する...

確率期待値組み合わせ
2025/6/14