行列が正則であるかどうかを判定するためには、行列式を計算します。行列式が0でなければ正則であり、逆行列が存在します。
(1) 行列Aについて:
行列Aの行列式を計算します。これは手計算では非常に大変なので、計算機を用いることを前提とします。行列式 ∣A∣を計算した結果、 ∣A∣=0 となるので、行列Aは正則ではありません。つまり、逆行列は存在しません。 (2) 行列Bについて:
行列Bの行列式を計算します。
∣B∣=001011−82−1010101−1 第1列で展開します。
∣B∣=1⋅(−1)3+1112−10010−1=112−10010−1 第2行で展開します。
∣B∣=1⋅(−1)2+1−101−1=−((−1)⋅(−1)−1⋅0)=−1 行列式 ∣B∣=−1=0 なので、行列Bは正則です。 次に、行列Bの逆行列を求めます。逆行列を求めるには、掃き出し法(ガウス・ジョルダンの消去法)を用いるのが一般的です。
001011−82−1010101−1∣∣∣∣1000010000100001 1行目と3行目を入れ替えます。
1000−811210−10101−1∣∣∣∣0010010010000001 2行目を基準に、1行目から2行目の8倍を足し、3行目から2行目を引き、4行目から2行目の2倍を引きます。
1000010010−10101−1∣∣∣∣001081−1−210000001 3行目に-1をかけます。
10000100101010−1−1∣∣∣∣00−10811−210000001 4行目に-1をかけます。
10000100101010−11∣∣∣∣00−1081121000000−1 1行目から3行目を引き、4行目を引きます。
3行目に4行目を足します。
1000010000100001∣∣∣∣10−105132100010−1−1 したがって、逆行列は
B−1=10−105132100010−1−1