2x2の実数行列 $A$ で、$A^2 = 0$ を満たすもの全てを求める問題です。

1. 問題の内容

2x2の実数行列 $A$ で、$A^2 = 0$ を満たすもの全てを求める問題です。

2. 解き方の手順

$A$を次のように表します。

$$

A = \begin{pmatrix} a & b \\ c & d \end{pmatrix}

$$

$A^2 = 0$なので、

$$

\begin{pmatrix} a & b \\ c & d \end{pmatrix} \begin{pmatrix} a & b \\ c & d \end{pmatrix} = \begin{pmatrix} a^2+bc & ab+bd \\ ca+dc & cb+d^2 \end{pmatrix} = \begin{pmatrix} 0 & 0 \\ 0 & 0 \end{pmatrix}

$$

したがって、以下の連立方程式が得られます。

\begin{align} \label{eq:1}

a^2+bc &= 0 \\

ab+bd &= 0 \\

ca+dc &= 0 \\

cb+d^2 &= 0

\end{align}

(2)より、$b(a+d) = 0$、(3)より、$c(a+d) = 0$

(i) $a+d \neq 0$の場合、$b=0$かつ$c=0$。

(1)より、$a^2 = 0$なので、$a=0$。

(4)より、$d^2=0$なので、$d=0$。

したがって、$a+d=0$となり、仮定に矛盾。

(ii) $a+d = 0$の場合、$d=-a$。

(1)より、$bc = -a^2$。

したがって、$A = \begin{pmatrix} a & b \\ c & -a \end{pmatrix}$となり、$bc = -a^2$を満たす必要があります。

$A$のトレースは、$a+d=0$。また、ケイリー・ハミルトンの定理から、

$A^2 - tr(A)A + det(A)I = 0$

$A^2 = 0$なので、$det(A)I = 0$より、$det(A)=0$。

よって、$ad-bc = -a^2-bc = 0$、つまり、$a^2+bc = 0$。

$A = \begin{pmatrix} a & b \\ c & -a \end{pmatrix}$ ($a,b,c$は実数で、$a^2+bc = 0$)

3. 最終的な答え

$A = \begin{pmatrix} a & b \\ c & -a \end{pmatrix}$ ($a,b,c$は実数で、$a^2+bc = 0$)