## 1. 問題の内容

代数学命題必要条件十分条件必要十分条件絶対値二乗
2025/6/12
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1. 問題の内容

問題は3つの命題について、それぞれの命題が条件として何であるか(必要条件、十分条件、必要十分条件、いずれでもない)を答えるものです。
(1) a+b=a+b|a+b| = |a|+|b| であることは、ab0ab \geq 0 であるための何条件か。
(2) a2+b2=0a^2 + b^2 = 0 であることは、a=0a=0 であるための何条件か。
(3) x+y=0x+y = 0 であることは、x=0x=0またはy=0y=0であるための何条件か。
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2. 解き方の手順

(1) a+b=a+b|a+b| = |a|+|b| であることは、ab0ab \geq 0 であるための何条件か。
* a+b=a+b|a+b| = |a|+|b| が成り立つとき、ab0ab \geq 0 であることを示す。
a+b2=(a+b)2|a+b|^2 = (|a|+|b|)^2
(a+b)2=a2+2ab+b2(a+b)^2 = a^2 + 2|a||b| + b^2
a2+2ab+b2=a2+2ab+b2a^2 + 2ab + b^2 = a^2 + 2|a||b| + b^2
2ab=2ab2ab = 2|a||b|
ab=abab = |ab|
これが成り立つのは、ab0ab \geq 0 のときである。
したがって、a+b=a+bab0|a+b| = |a|+|b| \Rightarrow ab \geq 0 は真である。つまり、a+b=a+b|a+b| = |a|+|b|ab0ab \geq 0 であるための十分条件である。
* ab0ab \geq 0 のとき、a+b=a+b|a+b| = |a|+|b| が成り立つことを示す。
ab0ab \geq 0 ならば、aabbは同符号またはどちらかが0である。
このとき、a+b=a+b|a+b| = |a|+|b| が成り立つ。
したがって、ab0a+b=a+bab \geq 0 \Rightarrow |a+b| = |a|+|b| は真である。つまり、ab0ab \geq 0a+b=a+b|a+b| = |a|+|b| であるための十分条件である。
したがって、ab0ab \geq 0a+b=a+b|a+b| = |a|+|b| であるための必要十分条件である。
(2) a2+b2=0a^2 + b^2 = 0 であることは、a=0a=0 であるための何条件か。
* a2+b2=0a^2 + b^2 = 0 が成り立つとき、a=0a=0 であることを示す。
a2+b2=0a^2 + b^2 = 0 ならば、a2=0a^2 = 0 かつ b2=0b^2 = 0 でなければならない。なぜなら、a20a^2 \geq 0 かつ b20b^2 \geq 0 であるから。
したがって、a=0a=0 かつ b=0b=0 である。
よって、a2+b2=0a=0a^2 + b^2 = 0 \Rightarrow a=0 は真である。
したがって、a2+b2=0a^2 + b^2 = 0a=0a=0 であるための必要条件である。
ただし、b=0b=0でなければならないので十分条件ではない。
* a=0a=0 のとき、a2+b2=0a^2 + b^2 = 0 が成り立つことを示す。
a=0a=0 でも、bbが0でなければa2+b2=0a^2 + b^2 = 0は成立しない。
a=0a2+b2=0a=0 \Rightarrow a^2 + b^2 = 0 は偽である。
したがって、a=0a=0a2+b2=0a^2 + b^2 = 0 であるための十分条件ではない。
a2+b2=0a^2+b^2=0a=0a=0 かつ b=0b=0 であるための必要条件である。
(3) x+y=0x+y = 0 であることは、x=0x=0 または y=0y=0 であるための何条件か。
* x+y=0x+y = 0 が成り立つとき、x=0x=0 または y=0y=0 であることを示す。
x+y=0x+y = 0 ならば、x=yx=-y である。
x=0x=0 のとき、y=0y=0 である。
x0x \neq 0 のとき、y=x0y = -x \neq 0 である。
したがって、x=0x=0 または y=0y=0 とは限らない。たとえばx=1,y=1x=1, y=-1のとき、x+y=0x+y=0であるが、x=0x=0でもy=0y=0でもない。
したがって、x+y=0x=0x+y = 0 \Rightarrow x=0 または y=0y=0 は偽である。
したがって、x+y=0x+y = 0x=0x=0 または y=0y=0 であるための十分条件ではない。
* x=0x=0 または y=0y=0 のとき、x+y=0x+y = 0 が成り立つことを示す。
x=0x=0 のとき、x+y=yx+y = y であり、x+y=0x+y=0 となるのは y=0y=0 のときである。
y=0y=0 のとき、x+y=xx+y = x であり、x+y=0x+y=0 となるのは x=0x=0 のときである。
x=0x=0 または y=0y=0 \Rightarrow x+y = 0 は偽である. なぜなら、x=0x=0 でも y=0y=0 でもなくても、x+y=0x+y = 0 となる場合があるから。(例えば、x=1,y=1x=1, y=-1)
したがって、x=0x=0 または y=0y=0x+y=0x+y = 0 であるための必要条件ではない。
したがって、x+y=0x+y = 0x=0x=0 または y=0y=0 であるための必要条件でも十分条件でもない。
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3. 最終的な答え

(1) 必要十分条件
(2) 必要条件
(3) 必要条件でも十分条件でもない

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