IS曲線は、財市場の均衡条件を表す曲線です。ここでは、消費者の効用最大化と企業の利潤最大化を考慮して、IS曲線を導出します。
(1) 消費者の効用最大化
消費者は、予算制約のもとで効用を最大化します。予算制約は、c1+1+rc2=Y で与えられます。ここで、Yは可処分所得、rは実質金利です。 効用関数 U(c1,c2)=0.7lnc1+0.3lnc2 を予算制約のもとで最大化します。ラグランジュ関数は、 L=0.7lnc1+0.3lnc2+λ(Y−c1−1+rc2) 一階条件は、
∂c1∂L=c10.7−λ=0 ∂c2∂L=c20.3−1+rλ=0 ∂λ∂L=Y−c1−1+rc2=0 これらの式から、c1とc2をYとrの関数として求めます。 c10.7=λ c20.3=1+rλ c10.7=c20.3(1+r) 0.7c2=0.3(1+r)c1 c2=0.70.3(1+r)c1=73(1+r)c1 これを予算制約式に代入すると、
c1+7(1+r)3(1+r)c1=Y c1+73c1=Y 710c1=Y c1=107Y=0.7Y c2=73(1+r)×0.7Y=0.3(1+r)Y (2) 企業の利潤最大化
企業は、利潤 Y2−I1=1.5ln(I1+1)−I1 を最大化します。 利潤最大化の条件は、dI1dY2=1+r です。 dI1dY2=I1+11.5=1+r I1+1=1+r1.5 I1=1+r1.5−1=1+r1.5−(1+r)=1+r0.5−r (3) 財市場の均衡条件
財市場の均衡条件は、Y=c1+I1 です。 Y=0.7Y+I1 0.3Y=I1 0.3Y=1+r0.5−r 0.3Y(1+r)=0.5−r 0.3Y+0.3Yr=0.5−r r(1+0.3Y)=0.5−0.3Y r=1+0.3Y0.5−0.3Y これがIS曲線です。
(4) 実質金利が0.25のときの可処分所得Y
r=0.25 のとき、 0.25=1+0.3Y0.5−0.3Y 0.25(1+0.3Y)=0.5−0.3Y 0.25+0.075Y=0.5−0.3Y 0.375Y=0.25 Y=0.3750.25=375250=32