行列の逆行列が存在するかどうかは、行列式が0でないかどうかで判断できる。行列式が0でなければ逆行列が存在し、0ならば逆行列は存在しない。逆行列が存在する場合、掃き出し法(行基本変形)を用いて逆行列を求める。
(1) A=0331−11215 行列式を計算する。
∣A∣=0⋅(−1⋅5−1⋅1)−1⋅(3⋅5−3⋅1)+2⋅(3⋅1−3⋅(−1))=0−1⋅(15−3)+2⋅(3+3)=−12+12=0 行列式が0なので、逆行列は存在しない。
(2) A=031−212−313 行列式を計算する。
∣A∣=0⋅(1⋅3−1⋅2)−(−2)⋅(3⋅3−1⋅1)+(−3)⋅(3⋅2−1⋅1)=0+2⋅(9−1)−3⋅(6−1)=16−15=1 行列式が1なので、逆行列が存在する。掃き出し法で逆行列を求める。
031−212−313100010001→13021−231−3001010100→1002−5−23−8−30010101−30→10021−2358−30010−5101530→100010−51585100152−51−52−515356→1000100011−8503−21−96 したがって、逆行列は 1−8503−21−96 (3) A=22110112111630−1−2 行列式を計算する。
∣A∣=21121160−1−2−02111160−1−2+12111120−1−2−3211112116 =2[1(−2+6)−1(−2+2)+0(6−2)]−0+1[2(−2+2)−1(−2+1)+0(2−1)]−3[2(6−2)−1(6−1)+1(2−1)] =2(4)+1(0+1+0)−3(8−5+1)=8+1−3(4)=9−12=−3 行列式が-3なので、逆行列が存在する。 掃き出し法による逆行列の計算は計算量が非常に多くなるため省略する。