(1) 複素数平面上で、等式 $|3z-4i|=2|z-3i|$ を満たす点 $z$ の全体がどのような図形を表すか答えよ。 (2) 複素数 $z$ が (1) の等式を満たすとき、$|\frac{1}{2}z+2i|$ の最大値と最小値を求めよ。また、そのときの $z$ の値をそれぞれ求めよ。

代数学複素数複素数平面絶対値最大値最小値
2025/6/11

1. 問題の内容

(1) 複素数平面上で、等式 3z4i=2z3i|3z-4i|=2|z-3i| を満たす点 zz の全体がどのような図形を表すか答えよ。
(2) 複素数 zz が (1) の等式を満たすとき、12z+2i|\frac{1}{2}z+2i| の最大値と最小値を求めよ。また、そのときの zz の値をそれぞれ求めよ。

2. 解き方の手順

(1)
与えられた等式 3z4i=2z3i|3z-4i|=2|z-3i| を変形する。
3z4i=3(z43i)=3z43i|3z-4i|=|3(z-\frac{4}{3}i)| = 3|z-\frac{4}{3}i|
2z3i2|z-3i| はそのまま。
したがって、
3z43i=2z3i3|z-\frac{4}{3}i| = 2|z-3i|
両辺を2乗すると
9z43i2=4z3i29|z-\frac{4}{3}i|^2 = 4|z-3i|^2
9(z43i)(z+43i)=4(z3i)(z+3i)9(z-\frac{4}{3}i)(\overline{z}+\frac{4}{3}i) = 4(z-3i)(\overline{z}+3i)
9(zz+43iz43iz+169)=4(zz+3iz3iz+9)9(z\overline{z} + \frac{4}{3}iz - \frac{4}{3}i\overline{z} + \frac{16}{9}) = 4(z\overline{z} + 3iz - 3i\overline{z} + 9)
9zz+12iz12iz+16=4zz+12iz12iz+369z\overline{z} + 12iz - 12i\overline{z} + 16 = 4z\overline{z} + 12iz - 12i\overline{z} + 36
5zz=205z\overline{z} = 20
zz=4z\overline{z} = 4
z2=4|z|^2 = 4
z=2|z| = 2
よって、原点を中心とする半径2の円となる。
(2)
(1)より、z=2|z|=2を満たすとき、12z+2i|\frac{1}{2}z+2i| の最大値と最小値を求める。
12z+2i=12(z+4i)=12z(4i)|\frac{1}{2}z+2i| = |\frac{1}{2}(z+4i)| = \frac{1}{2}|z-(-4i)|
これは点 zz と点 4i-4i の距離の 12\frac{1}{2} 倍を表す。
z=2|z|=2 より、zz は原点を中心とする半径2の円周上にある。
zz4i-4i の距離が最大になるのは、原点、4i-4izz が一直線上にあるときで、距離は 2+4=62+4=6 となる。最小になるのは、原点、4i-4izz が一直線上にあるときで、距離は 42=24-2=2 となる。
したがって、12z+2i|\frac{1}{2}z+2i| の最大値は 12×6=3\frac{1}{2} \times 6 = 3 であり、最小値は 12×2=1\frac{1}{2} \times 2 = 1 である。
最大値をとるのは、z=2(4i)/4i=2(4i)/4=2iz=2(-4i)/|-4i| = 2(-4i)/4 = -2i のとき。
最小値をとるのは、z=2(4i)/4i=2(4i)/4=2iz=-2(-4i)/|-4i| = -2(-4i)/4 = 2i のとき。

3. 最終的な答え

(1) 原点を中心とする半径2の円
(2)
最大値:3 (z=2iz = -2i のとき)
最小値:1 (z=2iz = 2i のとき)