関数 $f(x) = \frac{\log x}{x}$ の増減、極値、凹凸、変曲点を調べ、グラフの概形を描く。ここで、$\log$ は自然対数とする。

解析学関数の増減極値凹凸変曲点グラフの概形自然対数微分
2025/6/12

1. 問題の内容

関数 f(x)=logxxf(x) = \frac{\log x}{x} の増減、極値、凹凸、変曲点を調べ、グラフの概形を描く。ここで、log\log は自然対数とする。

2. 解き方の手順

(1) 定義域の確認:
f(x)f(x) の定義域は x>0x > 0 である。
(2) 導関数の計算:
f(x)f'(x) を計算する。
f(x)=1xxlogx1x2=1logxx2f'(x) = \frac{\frac{1}{x} \cdot x - \log x \cdot 1}{x^2} = \frac{1 - \log x}{x^2}
(3) 極値の計算:
f(x)=0f'(x) = 0 となる xx を求める。
1logxx2=0\frac{1 - \log x}{x^2} = 0
1logx=01 - \log x = 0
logx=1\log x = 1
x=ex = e
x=ex = e の前後で f(x)f'(x) の符号が変わるかを調べる。
x<ex < e のとき、logx<1\log x < 1 なので f(x)>0f'(x) > 0
x>ex > e のとき、logx>1\log x > 1 なので f(x)<0f'(x) < 0
したがって、x=ex = e で極大値をとる。
極大値は f(e)=logee=1ef(e) = \frac{\log e}{e} = \frac{1}{e}
(4) 二階導関数の計算:
f(x)f''(x) を計算する。
f(x)=1xx2(1logx)2xx4=x2x+2xlogxx4=3x+2xlogxx4=3+2logxx3f''(x) = \frac{-\frac{1}{x} \cdot x^2 - (1 - \log x) \cdot 2x}{x^4} = \frac{-x - 2x + 2x \log x}{x^4} = \frac{-3x + 2x \log x}{x^4} = \frac{-3 + 2 \log x}{x^3}
(5) 変曲点の計算:
f(x)=0f''(x) = 0 となる xx を求める。
3+2logxx3=0\frac{-3 + 2 \log x}{x^3} = 0
3+2logx=0-3 + 2 \log x = 0
2logx=32 \log x = 3
logx=32\log x = \frac{3}{2}
x=e32x = e^{\frac{3}{2}}
x=e32x = e^{\frac{3}{2}} の前後で f(x)f''(x) の符号が変わるかを調べる。
x<e32x < e^{\frac{3}{2}} のとき、logx<32\log x < \frac{3}{2} なので f(x)<0f''(x) < 0
x>e32x > e^{\frac{3}{2}} のとき、logx>32\log x > \frac{3}{2} なので f(x)>0f''(x) > 0
したがって、x=e32x = e^{\frac{3}{2}} で変曲点を持つ。
変曲点の yy 座標は f(e32)=loge32e32=32e32=32e32f(e^{\frac{3}{2}}) = \frac{\log e^{\frac{3}{2}}}{e^{\frac{3}{2}}} = \frac{\frac{3}{2}}{e^{\frac{3}{2}}} = \frac{3}{2e^{\frac{3}{2}}}
(6) グラフの概形:
- x0x \to 0 のとき、f(x)f(x) \to -\infty
- xx \to \infty のとき、f(x)0f(x) \to 0
- x=ex=e で極大値 1e\frac{1}{e} をとる。
- x=e32x=e^{\frac{3}{2}} で変曲点 (32,32e32)(\frac{3}{2} , \frac{3}{2e^{\frac{3}{2}}}) をもつ。

3. 最終的な答え

- 定義域: x>0x > 0
- 極大値: x=ex=ef(e)=1ef(e) = \frac{1}{e}
- 変曲点: x=e32x = e^{\frac{3}{2}}f(e32)=32e32f(e^{\frac{3}{2}}) = \frac{3}{2e^{\frac{3}{2}}}
増減表とグラフの概形は省略します。上記の情報から概形を把握できます。

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