与えられた3つの命題を証明します。 (1) 対称行列 $S_1$ と $S_2$ の和 $S_1 + S_2$ が対称行列であることを示す。 (2) 交代行列 $A_1$ と $A_2$ の和 $A_1 + A_2$ が交代行列であることを示す。 (3) 対称行列 $S$ と直交行列 $P$ について、$P^{-1}SP$ が対称行列であることを示す。

代数学線形代数行列対称行列交代行列直交行列転置
2025/6/12

1. 問題の内容

与えられた3つの命題を証明します。
(1) 対称行列 S1S_1S2S_2 の和 S1+S2S_1 + S_2 が対称行列であることを示す。
(2) 交代行列 A1A_1A2A_2 の和 A1+A2A_1 + A_2 が交代行列であることを示す。
(3) 対称行列 SS と直交行列 PP について、P1SPP^{-1}SP が対称行列であることを示す。

2. 解き方の手順

(1) 対称行列の和が対称行列であることの証明
対称行列 S1S_1S2S_2 はそれぞれ S1T=S1S_1^T = S_1S2T=S2S_2^T = S_2 を満たします。
S1+S2S_1 + S_2 の転置を計算します。
(S1+S2)T=S1T+S2T=S1+S2(S_1 + S_2)^T = S_1^T + S_2^T = S_1 + S_2
したがって、S1+S2S_1 + S_2 は対称行列です。
(2) 交代行列の和が交代行列であることの証明
交代行列 A1A_1A2A_2 はそれぞれ A1T=A1A_1^T = -A_1A2T=A2A_2^T = -A_2 を満たします。
A1+A2A_1 + A_2 の転置を計算します。
(A1+A2)T=A1T+A2T=A1A2=(A1+A2)(A_1 + A_2)^T = A_1^T + A_2^T = -A_1 - A_2 = -(A_1 + A_2)
したがって、A1+A2A_1 + A_2 は交代行列です。
(3) P1SPP^{-1}SP が対称行列であることの証明
対称行列 SSST=SS^T = S を満たし、直交行列 PPPT=P1P^T = P^{-1} を満たします。
P1SPP^{-1}SP の転置を計算します。
(P1SP)T=PTST(P1)T=PTS(PT)T=P1SP(P^{-1}SP)^T = P^T S^T (P^{-1})^T = P^T S (P^T)^T = P^{-1}SP
なぜなら、PPが直交行列だから PT=P1P^T = P^{-1}, そして、SSが対称行列だから ST=SS^T = Sです。また、 (P1)T=(PT)T=P(P^{-1})^T = (P^T)^T = P
したがって、P1SPP^{-1}SP は対称行列です。

3. 最終的な答え

(1) 対称行列 S1,S2S_1, S_2 の和 S1+S2S_1 + S_2 は対称行列である。
(2) 交代行列 A1,A2A_1, A_2 の和 A1+A2A_1 + A_2 は交代行列である。
(3) 対称行列 SS と直交行列 PP について、P1SPP^{-1}SP は対称行列である。

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