円 O を中心とし、長さ $2r$ の線分 AB を直径とする円の周上を動く点 P がある。三角形 ABP の面積を $S_1$ 、扇形 OPB の面積を $S_2$ とする。 (1) $\angle PAB = \theta (0 < \theta < \frac{\pi}{2})$ とするとき、$S_1$ と $S_2$ を求める。 (2) P が B に限りなく近づくとき、$\lim_{\theta \to +0} \frac{S_1}{S_2}$ の極限値を求める。

1. 問題の内容

円 O を中心とし、長さ $2r$ の線分 AB を直径とする円の周上を動く点 P がある。三角形 ABP の面積を $S_1$ 、扇形 OPB の面積を $S_2$ とする。

(1) $\angle PAB = \theta (0 < \theta < \frac{\pi}{2})$ とするとき、$S_1$ と $S_2$ を求める。

(2) P が B に限りなく近づくとき、$\lim_{\theta \to +0} \frac{S_1}{S_2}$ の極限値を求める。

2. 解き方の手順

(1)

* 円周角の定理より、$\angle APB = \frac{\pi}{2}$。

* $\angle POB = 2\theta$。

* $AP = AB \cos \theta = 2r \cos \theta$。

* $BP = AB \sin \theta = 2r \sin \theta$。

* $S_1 = \frac{1}{2} AP \cdot BP = \frac{1}{2} (2r \cos \theta) (2r \sin \theta) = 2r^2 \sin \theta \cos \theta = r^2 (2 \sin \theta \cos \theta) = r^2 \sin 2\theta$。

* 扇形の面積の公式より、$S_2 = \frac{1}{2} r^2 (2\theta) = r^2 \theta$。

(2)

$\lim_{\theta \to +0} \frac{S_1}{S_2} = \lim_{\theta \to +0} \frac{r^2 \sin 2\theta}{r^2 \theta} = \lim_{\theta \to +0} \frac{\sin 2\theta}{\theta} = \lim_{\theta \to +0} 2 \frac{\sin 2\theta}{2\theta} = 2 \lim_{\theta \to +0} \frac{\sin 2\theta}{2\theta}$。

$\lim_{x \to 0} \frac{\sin x}{x} = 1$ より、$\lim_{\theta \to +0} \frac{\sin 2\theta}{2\theta} = 1$。

よって、$\lim_{\theta \to +0} \frac{S_1}{S_2} = 2$。

3. 最終的な答え

(1)

$\angle APB = \frac{\pi}{2}$

$\angle POB = 2\theta$

$AP = 2r \cos \theta$

$BP = 2r \sin \theta$

$S_1 = r^2 \sin 2\theta$

$S_2 = r^2 \theta$

(2)

$\lim_{\theta \to +0} \frac{S_1}{S_2} = 2$