次の関数の導関数を求めよ。 (1) $(x + \sqrt{x^2 + 3})^3$ (2) $\sin^{-1}\sqrt{1-x^2}$ (3) $\tan^{-1}x + \tan^{-1}\frac{1}{x}$

解析学導関数微分合成関数の微分逆三角関数
2025/6/13

1. 問題の内容

次の関数の導関数を求めよ。
(1) (x+x2+3)3(x + \sqrt{x^2 + 3})^3
(2) sin11x2\sin^{-1}\sqrt{1-x^2}
(3) tan1x+tan11x\tan^{-1}x + \tan^{-1}\frac{1}{x}

2. 解き方の手順

(1)
y=(x+x2+3)3y = (x + \sqrt{x^2 + 3})^3
と置く。
合成関数の微分を用いる。
y=3(x+x2+3)2(1+12x2+32x)y' = 3(x + \sqrt{x^2 + 3})^2(1 + \frac{1}{2\sqrt{x^2+3}} \cdot 2x)
y=3(x+x2+3)2(1+xx2+3)y' = 3(x + \sqrt{x^2 + 3})^2(1 + \frac{x}{\sqrt{x^2+3}})
y=3(x+x2+3)2(x2+3+xx2+3)y' = 3(x + \sqrt{x^2 + 3})^2(\frac{\sqrt{x^2+3} + x}{\sqrt{x^2+3}})
y=3(x+x2+3)31x2+3y' = 3(x + \sqrt{x^2 + 3})^3 \frac{1}{\sqrt{x^2+3}}
(2)
y=sin11x2y = \sin^{-1}\sqrt{1-x^2}
と置く。
合成関数の微分を用いる。
y=11(1x2)2121x2(2x)y' = \frac{1}{\sqrt{1-(\sqrt{1-x^2})^2}}\cdot \frac{1}{2\sqrt{1-x^2}} \cdot (-2x)
y=11(1x2)121x2(2x)y' = \frac{1}{\sqrt{1-(1-x^2)}}\cdot \frac{1}{2\sqrt{1-x^2}} \cdot (-2x)
y=1x2121x2(2x)y' = \frac{1}{\sqrt{x^2}}\cdot \frac{1}{2\sqrt{1-x^2}} \cdot (-2x)
y=1xx1x2y' = \frac{1}{|x|}\cdot \frac{-x}{\sqrt{1-x^2}}
y=xx1x2y' = -\frac{x}{|x|\sqrt{1-x^2}}
x>0x>0 のとき、y=11x2y' = -\frac{1}{\sqrt{1-x^2}}
x<0x<0 のとき、y=11x2y' = \frac{1}{\sqrt{1-x^2}}
(3)
y=tan1x+tan11xy = \tan^{-1}x + \tan^{-1}\frac{1}{x}
と置く。
y=11+x2+11+(1x)2(1x2)y' = \frac{1}{1+x^2} + \frac{1}{1+(\frac{1}{x})^2}\cdot (-\frac{1}{x^2})
y=11+x2+x2x2+1(1x2)y' = \frac{1}{1+x^2} + \frac{x^2}{x^2+1}\cdot (-\frac{1}{x^2})
y=11+x21x2+1y' = \frac{1}{1+x^2} - \frac{1}{x^2+1}
y=0y' = 0
したがって、yy は定数である。
x>0x>0 のとき、tan1x+tan11x=π2\tan^{-1}x + \tan^{-1}\frac{1}{x} = \frac{\pi}{2}
x<0x<0 のとき、tan1x+tan11x=π2\tan^{-1}x + \tan^{-1}\frac{1}{x} = -\frac{\pi}{2}

3. 最終的な答え

(1) 3(x+x2+3)3x2+3\frac{3(x+\sqrt{x^2+3})^3}{\sqrt{x^2+3}}
(2)
x>0x>0 のとき、11x2-\frac{1}{\sqrt{1-x^2}}
x<0x<0 のとき、11x2\frac{1}{\sqrt{1-x^2}}
(3)
x>0x>0 のとき、π2\frac{\pi}{2}
x<0x<0 のとき、π2-\frac{\pi}{2}

「解析学」の関連問題

与えられた12個の関数の導関数をそれぞれ求める問題です。

微分導関数合成関数積の微分対数微分三角関数
2025/6/14

関数 $y = \log(\log x)$ の導関数 $\frac{dy}{dx}$ を求める。ここで、$\log$は自然対数(底が$e$)を表すものとします。

微分導関数合成関数対数関数
2025/6/14

与えられた関数 $f(x)$ について、その第 $n$ 次導関数 $f^{(n)}(x)$ を求め、さらに $f^{(n)}(0)$ を求める問題です。関数は以下の2つです。 (1) $f(x) = ...

導関数微分高階導関数テイラー展開
2025/6/14

問題は、与えられた関数$f(x)$の第$n$次導関数$f^{(n)}(x)$を求め、さらに$f^{(n)}(0)$を求めるというものです。今回は、$f(x) = \frac{x}{1+x^2}$の場合...

導関数微分高階導関数部分分数分解複素数周期性
2025/6/14

与えられた関数 $f(x)$ の第 $n$ 次導関数 $f^{(n)}(x)$ をライプニッツの公式を用いて漸化式の形で表し、さらにその第 $n$ 次微分係数 $f^{(n)}(0)$ を求める。対象...

導関数ライプニッツの公式テイラー展開マクローリン展開部分分数分解
2025/6/14

与えられた関数 $f(x)$ の第 $n$ 次導関数 $f^{(n)}(x)$ をライプニッツの公式を用いて求め、さらに $f^{(n)}(0)$ を求めます。 (1) $f(x) = e^{x^2}...

導関数ライプニッツの公式高階導関数部分分数分解
2025/6/14

問題は、与えられた関数 $f(x)$ の第 $n$ 次導関数 $f^{(n)}(x)$ を「ライプニッツの公式」を用いて漸化式の形で表し、さらにその第 $n$ 次微分係数 $f^{(n)}(0)$ を...

導関数ライプニッツの公式微分漸化式微分係数
2025/6/14

(1) $a>1$ を満たす定数 $a$ について、関数 $y = a^{x-1}$ のグラフの形を答え、関数 $y = \frac{1}{a^x}$ のグラフの形が何に関して対称であるかを答える。 ...

指数関数対数関数グラフ平行移動真数条件不等式
2025/6/14

与えられた関数 $f(x)$ に対して、$n$次導関数 $f^{(n)}(x)$ をライプニッツの公式を用いて漸化式の形で表し、さらに $f^{(n)}(0)$ を求める。 (1) $f(x) ...

導関数ライプニッツの公式漸化式微分
2025/6/14

与えられた関数 $f(x)$ について、その第$n$次導関数 $f^{(n)}(x)$ を求め、さらに $x=0$ における第$n$次微分係数 $f^{(n)}(0)$ を求める問題です。関数は2つ与...

導関数微分マクローリン展開微分係数
2025/6/14