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1. 問題の内容
質量 の質点を原点から時刻 に、投射角 、初期速度 で投射したときの運動について、以下の問いに答えます。ただし、重力加速度を とし、空気抵抗は無視できるものとします。
問
1. 質点の運動方程式を書きなさい。
問
2. 時刻 $t$ における質点の速度を求めなさい。
問
3. 時刻 $t$ における質点の座標を求めなさい。
問
4. 質点の軌道が放物線になることを示しなさい。
問
5. 最高到達点の時刻と座標を求めなさい。
問
6. 図1のように、座標 $(X, Y)$ にある的に命中させるために必要な投射角 $\tan{\theta}$ を求めなさい。
問
7. 図2のように、質点が移動する際の軌跡と地面との間の面積が最大となるような投射角 $\theta_{max}$ を求めなさい。ただし、$0 < \theta_{max} < \pi/2$ とします。
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2. 解き方の手順
**問
1. 質点の運動方程式**
質点に働く力は重力のみです。したがって、運動方程式は以下のようになります。
**問
2. 時刻 $t$ における質点の速度**
問1の運動方程式を積分することで速度を求めます。初期条件は で , です。
**問
3. 時刻 $t$ における質点の座標**
問2で求めた速度をさらに積分することで座標を求めます。初期条件は で , です。
**問
4. 質点の軌道が放物線になることの証明**
問3の結果から を消去することで、 と の関係式を求めます。
これを の式に代入すると、
これは の2次関数なので、質点の軌道は放物線となります。
**問
5. 最高到達点の時刻と座標**
最高到達点では、鉛直方向の速度 が 0 になります。問2の結果より、
したがって、最高到達点の時刻 は
この時刻を問3の座標の式に代入すると、最高到達点の座標 は
**問
6. 座標 $(X, Y)$ に命中させるために必要な投射角 $\tan\theta$**
問3の結果から , となる と を求めます。
を の式に代入すると、
を用いると、
についての二次方程式となるため、解の公式を用いて を求めます。
**問
7. 質点が移動する際の軌跡と地面との間の面積が最大となるような投射角 $\theta_{max}$**
放物線と 軸の間の面積は、放物線の式を積分することで求められます。
放物線が 軸と交わる点は と です。よって面積 は、
面積 が最大となるのは のときなので、 より、
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3. 最終的な答え
問
1. $m\frac{d^2x}{dt^2} = 0$, $m\frac{d^2y}{dt^2} = -mg$
問
2. $v_x = v_0\cos\theta$, $v_y = -gt + v_0\sin\theta$
問
3. $x = v_0\cos\theta \cdot t$, $y = -\frac{1}{2}gt^2 + v_0\sin\theta \cdot t$
問
4. $y = -\frac{g}{2v_0^2\cos^2\theta}x^2 + \tan\theta \cdot x$ (放物線)
問
5. $t_{top} = \frac{v_0\sin\theta}{g}$, $(x_{top}, y_{top}) = (\frac{v_0^2\sin2\theta}{2g}, \frac{v_0^2\sin^2\theta}{2g})$
問
6. $\tan\theta = \frac{v_0^2 \pm \sqrt{v_0^4 - 2gv_0^2Y - g^2X^2}}{gX}$
問