単原子分子の理想気体が断熱変化するときについて、以下の3つの問いに答えます。 (1) 比熱比 $\gamma$ の値を有効数字3桁で求めます。ここで、比熱比 $\gamma$ は定圧モル比熱を定積モル比熱で割ったものです。 (2) 初めの絶対温度を $T$、後の絶対温度を $T'$ とするとき、$TV^{\gamma-1} = T'V'^{\gamma-1}$ の関係が成り立つことを示します。 (3) 体積が初めの $\frac{1}{8}$ 倍になったとすると、絶対温度は何倍になるかを求めます。

応用数学熱力学理想気体断熱変化比熱比状態方程式
2025/6/15
はい、承知いたしました。

1. 問題の内容

単原子分子の理想気体が断熱変化するときについて、以下の3つの問いに答えます。
(1) 比熱比 γ\gamma の値を有効数字3桁で求めます。ここで、比熱比 γ\gamma は定圧モル比熱を定積モル比熱で割ったものです。
(2) 初めの絶対温度を TT、後の絶対温度を TT' とするとき、TVγ1=TVγ1TV^{\gamma-1} = T'V'^{\gamma-1} の関係が成り立つことを示します。
(3) 体積が初めの 18\frac{1}{8} 倍になったとすると、絶対温度は何倍になるかを求めます。

2. 解き方の手順

(1) 比熱比 γ\gamma の計算
単原子分子の定積モル比熱 CVC_V と定圧モル比熱 CPC_P はそれぞれ
CV=32RC_V = \frac{3}{2}R
CP=52RC_P = \frac{5}{2}R
と表されます(ここで RR は気体定数です)。したがって、比熱比 γ\gamma
γ=CPCV=52R32R=53=1.6666...\gamma = \frac{C_P}{C_V} = \frac{\frac{5}{2}R}{\frac{3}{2}R} = \frac{5}{3} = 1.6666...
有効数字3桁で表すと、γ=1.67\gamma = 1.67 となります。
(2) TVγ1=TVγ1TV^{\gamma-1} = T'V'^{\gamma-1} の導出
断熱変化では、pVγ=一定pV^\gamma = 一定 の関係が成り立ちます。ここで、pp は圧力、VV は体積です。
理想気体の状態方程式 pV=nRTpV = nRT より、p=nRTVp = \frac{nRT}{V} です(ここで nn は物質量、RR は気体定数、TT は絶対温度です)。
これを pVγ=一定pV^\gamma = 一定 に代入すると、
nRTVVγ=nRTVγ1=一定\frac{nRT}{V} V^\gamma = nRT V^{\gamma-1} = 一定
となります。物質量 nn と気体定数 RR は定数なので、TVγ1=一定TV^{\gamma-1} = 一定 となります。
したがって、初期状態と変化後の状態の間で、TVγ1=TVγ1TV^{\gamma-1} = T'V'^{\gamma-1} が成り立ちます。
(3) 体積が 18\frac{1}{8} 倍になったときの温度変化
V=18VV' = \frac{1}{8}V であるとき、TVγ1=TVγ1TV^{\gamma-1} = T'V'^{\gamma-1} より、
TVγ1=T(18V)γ1TV^{\gamma-1} = T' \left( \frac{1}{8}V \right)^{\gamma-1}
T=T(18)γ1T = T' \left( \frac{1}{8} \right)^{\gamma-1}
T=T(18)(γ1)=T8γ1T' = T \left( \frac{1}{8} \right)^{-(\gamma-1)} = T \cdot 8^{\gamma-1}
γ=53\gamma = \frac{5}{3} より、γ1=23\gamma - 1 = \frac{2}{3} なので、
T=T823=T(813)2=T22=4TT' = T \cdot 8^{\frac{2}{3}} = T \cdot (8^{\frac{1}{3}})^2 = T \cdot 2^2 = 4T
したがって、絶対温度は4倍になります。

3. 最終的な答え

(1) γ=1.67\gamma = 1.67
(2) TVγ1=TVγ1TV^{\gamma-1} = T'V'^{\gamma-1}
(3) 4倍

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