与えられた命題は、正方行列の正則性とその逆行列、転置行列の関係について述べています。 (1) 行列Aが正則ならば、その逆行列A^-1も正則であり、(A^-1)^-1 = A であることを示しています。 (2) 行列Aが正則ならば、その転置行列'Aも正則であり、('A)^-1 = '(A^-1)であることを示しています。 (3) 行列AとBが正則ならば、それらの積ABも正則であり、(AB)^-1 = B^-1A^-1 であることを示しています。

代数学線形代数行列正則行列逆行列転置行列
2025/6/15

1. 問題の内容

与えられた命題は、正方行列の正則性とその逆行列、転置行列の関係について述べています。
(1) 行列Aが正則ならば、その逆行列A^-1も正則であり、(A^-1)^-1 = A であることを示しています。
(2) 行列Aが正則ならば、その転置行列'Aも正則であり、('A)^-1 = '(A^-1)であることを示しています。
(3) 行列AとBが正則ならば、それらの積ABも正則であり、(AB)^-1 = B^-1A^-1 であることを示しています。

2. 解き方の手順

(1) Aが正則であるとき、AA1=A1A=IAA^{-1} = A^{-1}A = I (Iは単位行列)が成り立ちます。ここで、A1A^{-1}も正則であり、A1A^{-1}の逆行列が存在することを示す必要があります。A1A^{-1}の逆行列がAであることは、A1A=AA1=IA^{-1}A = AA^{-1} = I から明らかです。したがって、(A1)1=A (A^{-1})^{-1} = A が成り立ちます。
(2) Aが正則であるとき、AA1=A1A=IAA^{-1} = A^{-1}A = I が成り立ちます。この両辺を転置すると、(AA1)=(A1A)=I=I(AA^{-1})' = (A^{-1}A)' = I' = I となります。転置の性質より、(AA1)=(A1)A(AA^{-1})' = (A^{-1})'A' および (A1A)=A(A1)(A^{-1}A)' = A'(A^{-1})' が成り立ちます。したがって、(A1)A=A(A1)=I (A^{-1})'A' = A'(A^{-1})' = I となります。この式は、AA' が正則であり、その逆行列が (A1)(A^{-1})' であることを示しています。すなわち、(A)1=(A1) (A')^{-1} = (A^{-1})' が成り立ちます。
(3) AとBが正則であるとき、AA1=A1A=IAA^{-1} = A^{-1}A = I および BB1=B1B=IBB^{-1} = B^{-1}B = I が成り立ちます。行列の積ABの逆行列を考えます。(AB)(B1A1)=A(BB1)A1=AIA1=AA1=I(AB)(B^{-1}A^{-1}) = A(BB^{-1})A^{-1} = AIA^{-1} = AA^{-1} = I(B1A1)(AB)=B1(A1A)B=B1IB=B1B=I(B^{-1}A^{-1})(AB) = B^{-1}(A^{-1}A)B = B^{-1}IB = B^{-1}B = I が成り立ちます。したがって、(AB)1=B1A1(AB)^{-1} = B^{-1}A^{-1} が成り立ちます。

3. 最終的な答え

(1) Aが正則ならば、A^-1も正則で(A^-1)^-1 = A.
(2) Aが正則ならば、「Aも正則で('A)^-1='(A^-1).
(3) A、Bが正則ならば、ABも正則で(AB)^-1=B^-1A^-
1.

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